2023-1-20

  

William Klein: Celebration

LA Fabrica, 2019

William Klein(ウィリアム・クライン)

ウィリアム・クライン(1928-2022)は、大胆なレイアウトや、アレ、ブレ、ボケなど、従来はタブーだった技法を大胆に取り入れたモノクロ写真で知られるアメリカ人写真家。写真集「Life is Good & Good for You in New York」(1956年刊)では、誰も見たことがなかったパーソナルな視点で切り取られたニューヨークを表現。ロバート・フランクの写真集「The Americans」とともに現代写真に多大な影響を与えました。日本の森山大道や中平卓馬も、クラインから刺激を受けたことも知られています。

本書では90歳を迎えた伝説の写真家クラインが、キャリアを振り返るとともに写真表現自体に敬意を表して、自身がベストだと認識しているお気に入りの作品をセレクションしています。ニューヨーク、ローマ、モスクワ、パリで、唯一の瞬間をとらえたた力強いモノクロや印象的なカラーが紹介されています。まさに真の写真称賛の作品群だと呼べるでしょう。 また彼が写真のアート性を考え、何がこのようなディレクターズ・カット的な写真集制作に至ったのかを説明するテキストも含まれます。彼によると、この並外れたパーソナル・セレクションは、写真世界へ貢献をした作品とのことです。比較的小さなサイズの本ですが、力強い写真が並ぶページをめくるごとに、彼が現代写真界の与えた影響力の大きさがわかってきます。

ハードカバー: 119ページ、サイズ 17.8 x 1.9 x 24.8 cm、カラー17点/モノクロ43点を収録。