2023-2-1
Mack, 2023
Stephen Shore(スティーブン・ショア)
本書は、スティーブン・ショアー(1947-)の最新作。2020年以降にドローンで撮影されたアメリカン・シーンの航空写真シリーズです。モンタナ州、ノースカロライナ州、ニューヨークや、その他の地域の自然風景と人工的な景観の関係性を、細部まで鮮明に映し出しています。
ショアーは本作で、1975年にジョージ・イーストマン・ハウス国際写真美術館で、ウィリアム・ジェンキンズの企画で、
ロバート・アダムズ、ルイス・ボルツ、ベッヒャー夫妻、ニコラス・ニクソン、ヘンリー・ウェッセル・ジュニア、スティーブン・ショアなどが参加して
開催された「New Topographics : Photographs of a Man-Altered Landscape」展の当初の目的を再考しています。
同展では、駐車場、郊外の住宅、崩れかけた炭鉱など、戦後アメリカのありふれた建造物と自然風景との間に生まれた緊張感が表現されていました。
今回は新しい空からの視点を用いて、同展のテーマである、アメリカの風景における、客観的なもの、ありふれたもの、自然と人工的なものとの相互作用を新たに考察し、これらを21世紀にどのように適用できるか提示しています。
また本書では全編にわたりショアーならではの厳密な調査が行われています。
航空写真の形式的な可能性を探るだけでなく、空から見える風景のディテールや驚きに対する見事なまでのこだわりを見せています。
川のわずかな湾曲などが、アメリカの都市や郊外の風景の質感や色彩を浮かび上がらせている状況を提示しています。
エッセーは、ノア・チェイシン、リチャード・B・ウッドワードが担当。
ハードカバー:204ページ、サイズ 30.5 x 25.2 cm、多数の図版を収録。