2023-3-15
Steidl; Leineneinband版, 2023
William Eggleston(ウィリアム・エグルストン)
カラー写真のパイオニアとして知られる米国人写真家ウィリアム・エグルストン(1939-)。
ドイツ・ベルリンにある、写真とビジュアルメディア用展示スペースのC/O Berlinで、
2023年1月から5月にかけて開催されている同名の写真展のカタログです。
芸術写真は、長らくモノクロの抽象美とプリントの美しさを追求する表現が中心でした。1935年に世界初のカラースライドフィルムが発売されたものの、それは広告の世界だけのもので、非芸術的な写真だとされていました。
しかし1960年代以降、多くの写真家がこの媒体の創造的な可能性を発見するようになります。50年以上のキャリアを持つウィリアム・エグルストンは、このパラダイムシフトに大きく貢献しただけでなく、その後の多くの世代に多大な影響を与えました。ソール・ライター、スティーブン・ショアらとともに、エグルストンは、色彩の持つ独特の力と表現の可能性を認識した最初の写真家の一人でした。
エグルストンは、アメリカ南部で見られる詩的なビジュアルに魅了されます。
そして彼は、冷凍庫の中身やダイナーのカウンターに置かれたケチャップボトル、
偶然に写り込んだ銃など、身の回りのありきたりなものに、新しい美、不気味さ、神秘性を発見しました。
本書は、エグルストンのキャリア変遷と創作の進化の全容を捉えています。テーマや型にはまらない切り口の発見と探求が行われている初期モノクロ作品、また「ロス・アラモス」、「アウトランド」シリーズなどの代表作品のカラー写真がコンパクトに紹介されています。
ハードカバー : 208ページ、サイズ 24.4 x 2.3 x 30.4 cm、多数の図版を収録