2026-7-14

  

Sisters, Saints and Sibyls

Thames & Hudson, 2026

Nan Goldin(ナン・ゴールディン)

ナン・ゴールディン(1953-)は、ワシントンD.C.出身の米国を代表するアーティスト。10代の時に写真撮影をはじめ、ニューヨーク、ボストン、ロンドン、ベルリンと移り住みながら、カメラを日記代わりに、友人、恋人などとの関係や出来事をドキュメントし続けました。彼女の作品には、家族像の変換、家庭内暴力、薬物乱用、性的依存や倒錯、エイズなど、80年代以降の時代性が反映されており、現代人の多様な生き方をパーソナルな視点から表現している点が世界的に評価されています。また1980年代後半にはエイズ危機関連、2017年からはオピオイド危機に関する活動をコミュニティー内で行っています。作品は美術館、ギャラリーで展示/コレクションされており、ホイットニー美術館ニューヨーク(1996年)、ポンピドー・センター・パリ(2001年)で回顧展開催。2007年にはハッセルブラッド国際写真賞を受賞しています。

本書「Sisters, Saints and Sibyl」は、18歳で亡くなった姉バーバラへのオマージュとして制作されており、彼女の最も重要なシリーズの一つであるといわれています。2026年3月~6月にかけてパリのグラン・パレで開幕された大規模な回顧展に合わせて再刊されました。バーバラは1945年3月、リリアン・カントロヴィッツとハイマン・ハワード・ゴールディンの間に誕生。12歳のとき、彼女は精神科の収容施設に送られます。反抗的で性的に挑発的な態度を理由に非難されたバーバラは、その後6年間をさまざまな施設で過ごし、1964年、18歳の時に自ら命を絶っています。 ナン・ゴールディンは、本作でバーバラの生涯に焦点を当てた病院の診断書、家族の写真、そして自身の写真を織り交ぜ、依存症、虐待、トラウマ、そして女性の抵抗を探求する視覚的なタペストリーを構築しています。バーバラをめぐる神話的な幻想を織り交ぜながら、その生涯における悲劇的な物語を容赦なく描き出し、20世紀における女性のメンタルヘルスに対する広範で不当な扱いについて、心に深く響く考察を紡ぎ出しています。彼女は、本作を「私の姉、そして社会で生き抜くために奮闘するすべての反抗的な女性たちへのオマージュ」だと語っています。

ハードカバー : 144ページ、サイズ : 15.75 x 1.78 x 20.83 cm、約150点のカラー図版を収録。



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