◆写真集解説◆
ウィリアム・エグルストンとならび、ニューカラーの代表写真家であるスティーブン・ショアー。
アンドレアス・グルスキーやトーマス・スュトルートなどの若手作家にも影響を与えたことで知られています。
彼は 8x10の大判カメラでアメリカン・シーンをカラー撮影し1982年に名作"Uncommon Places"を発表しています。
本書に収録されているのは1972〜1973年に小型カメラで撮影された約300点にも及ぶカラー作品です。
一部は1999年に"American Surfaces 1972"(Schirmer/Mosel刊)として発表されています。
1972年、24歳のショアーはロバート・フランクの過程たどりながらニューヨークから全米の旅に出かけます。
最初は友人運転でテキサスのアマリロへ赴き、彼のニューヨークでの人生経験は米国中部の生き方とかけ離れていることを実感します。年末に今度は一人でローライ35を手にして旅行者の視点での米国探求の旅に出かけます。
“アメリカン・サーフェース”と名づけられた一連のフォト・ダイヤリーは写真によるロード・ムービーです。
彼は全ての街並み、ガソリンスタンド、ダイナー、モテルなど、毎日見たこと、行ったこと、出会った人を淡々と記録していきます。撮影コンセプトに忠実であろうとしたショアーは、当時の旅行者の例にならって数百ものフイルムロールをニュージャージーのコダックのラボに送付し現像、プリントを行ったそうです。
普通で何気ない一連のイメージは時に盛り上がりのないものの、アメリカ人が哀愁を感じる70年代の雰囲気溢れるイメージが満載されています。その後アメリカの原風景の残り香を感じさせてくれる"Uncommon Places"へとコンセプトが絞られていくことを予感させる1冊です。
スティーブン・ショアーのプロフィールも紹介しています。こちらもご覧下さい。