また本展では、鋤田が個人的に所有している写真プリント・コレクションを初展示している。お互いにリスペクトし合う関係性を持つ海外の写真家同志は、自らの写真を交換し合うという習慣がある。実は鋤田も多くの海外写真家と交流があり、エディションが付かないアーティスト・プルーフ(A/P)の写真を交換している。展示されているのは鋤田の海外の有名写真家との華麗な交流を垣間見ることができる作品群となる。ボウイやエルトン・ジョン、フェイ・ダナウェイなどのハリウッドスターの撮影で有名なテリー・オニール作品、初期ビートルズの写真で知られるアストリッド・キルヒャー作品、またリンダ・マッカートニーから贈られた作品などが鑑賞できる。ヒプノシスのジョン・ブレイクがデザインした「Pink Floyd, Atom Heart Mother(原子心母), 1970」は、東京経堂の事務所玄関に展示してあり、長年にわたり来訪者を出迎えてくれた作品だ。個人的には、若くして亡くなったマーク・ボランが直接サインした「Get it on, London, 1972」の小振りサイズのヴィンテージ・プリントに目が釘付けになった。
(ブリッツ・ギャラリー 写真展情報 / 鋤田正義 写真展 “SUKITA : Photographs from Early Fashion to Rock Icons”開催!) ブリッツ・ギャラリーでは10月下旬から鋤田正義の初期ファッションを中心にした写真展を開催する予定です。60~80年代の未発表ファッション作品約22点とロック系・ポートレートの新作を展示します。ボウイを魅了したことで知られる鋤田のシュールな雰囲気のファッション写真は一見の価値ありです。近日中にプレスリリースを公式サイトに公開予定。会期はまだ先になりますが、ぜひお立ち寄りください!
Jeff Wall “A Sudden Gust of Wind (after Hokusai), 1993”
本書は彼の80~90年代の風景写真を紹介。1996年5月25日から8月25日までヴォルフスブルク美術館で開催された展覧会の機会に出版されたカタログ。本で見ると何気ない都市や自然のスナップ的な風景写真なのだが、実際の展示作は大規模バックライト付きチバクロームの写真作品。表紙の「The Pine on the Corner, 1990」のサイズは、なんと165X135cmもある 。フォトブックの写真とは全く印象が違うと思われる。展覧会で大きな現物を見たかったと感じた。すでに絶版なので古書で購入。アマゾンでは13,000円程度で販売されている。