Master Works, Master Photographers
写真表現の軌跡第4部 アメリカの写真
場所:
東京都写真美術館
作家名:
ウィリアム・ヘンリー・ジャクソン、ルイス・ハイン、
アルフレッド・スティーグリッツ、ポール・ストランド、エドワード・ウェストン、
アンセル・アダムス、ウォーカー・エヴァンス、ベレニス・アボット、ウィージー、デュアン・マイケルズ、リチャード・アヴェドン、ロバート・フランク、
ウィリアム・クライン、ゲイリー・ウィノグランド、ダイアン・アーバス、
ダニー・ライアン、ロバート・メイプルソープ、ナン・ゴールデン
等のグループ展
主催者:
(財)東京都歴史文化財団、東京都写真美術館
開催情報:
00年1月28日(金)〜4月6日(木)
料金:
一般500円、高中小生250円
問い合わせ先:
03-3280-0031
Reviews

Y.F(blitzintl@nifty.com)

クローズアップ・コーナー「ダニー・ライアン」

写真表現の軌跡第4部"アメリカの写真"のクローズアップ・コーナーとして会期中、 作家の作品それぞれ約20〜30点を個展形式で集中展示する試みを行っています。 3月5日(日)まで行われたゲイリー・ウィノグランドの"Women are beautiful"に続き3月7日(火)〜4月6日(木) まではダニー・ライアンの写真が集中展示されています。
今回の展示は彼の代表的な写真集"The Bikeriders"から中心にセレクションされた22点が展示されています。 このシリーズのオリジナル作品を写真集以外で観賞できることはなかなかできません。 これだけで十分小規模の企画展として通用する素晴らしい展示です。 会期は4月6日までです、どうかお見逃しのないようにしてください。


“写真表現の軌跡 Master Works,Master Photographs”の第四部

東京都写真美術館で昨年6月よりシリーズ開催している、”写真表現の軌跡 Master Works,Master Photographs”の第四部です。今回は美術館の約2万点の収蔵作品の中から アメリカ写真の変遷を紹介しています。
19世紀の西部の記録写真からドキュメンタリー写真、ストレート写真、 ソーシャル・ランドスケープ(社会的風景つまりスナップショット)、 ニュー・トポグラフィックス(新しい地勢学)、そして現代の多様化した表現の作品まで、 アメリカ写真表現の変遷を各時代の有名作品の展示で紹介しています。
一通り見て行くと写真はヨーロッパで誕生したものの、その表現は経済の発展とともに アメリカで展開していったことが良く分かります。特に第二次大戦後は欧州の写真家が アメリカへ移り住んだことでその流れは強まっていったようです。前回の”ヨーロッパの写真”が 今世紀前半までの写真展示中心だったのに比べて、今回のアメリカ編は今世紀前半以降 の展示が中心になっていることがその事実をよく象徴しています。

都写真美術館のコレクションは非常に充実しています。今回の展示でも写真好きなら本で見たことがある 写真史に残る名作が数多く展示されています。その上、かなりの作品が高価なヴィンテージプリントです。
色々なタイプの写真があり、観賞する側も好みがあります。 しかしどんな趣味の人もそれぞれの好みにあった写真をかならず見つけることができる写真展です。
有名作品ではエドワード・ウェストンの”Pepper No.30”、アンセル・アダムスの ”Moonrise, Hernandez, New Mexico,1941”、アルフレッド・スティーグリッツの大判の”The Steerage” などがあります。
ニューヨークスクール系のドキュメンタリータイプの 写真が好きな人は非常に満足すると思います。ウィリアム・クライン、ロバート・フランクはもちろん、 なかなか見られないダイアン・アーバス、ルイス・フォア、リゼット・モデル、ウイージーなどの オリジナル作品が多数展示されています。
ファッション写真はリチャード・アベドンの”Early Paris Fashion Portofolio”からのセレクションが楽しめます。
現代写真ではコンテンポラリーアートの範疇で捉えられているウィリアム・ウェグマン、シンディー・シャーマン、 サンディー・スコグランド、リチャード・プリンス、デュエイン・マイケルズなどの作品展示になっています。
無料の写真展パンフレットに鈴木佳子氏の詳しい解説がでています。観賞前にお読みになると興味が 倍増するでしょう。

貴重な写真集、雑誌も多数展示されています。マーガレット・バークホワイトによるライフ誌 創刊号の1936年11月号。スティーグリッツの"終着駅"やポール・ストランドの"ウォール街"が 掲載されている伝説のカメラーワーク誌。またファッション写真ファンにはたまらないあの リチャード・アヴェドンの名作"Dovima with elephants"が掲載されている1955年9月号の ハーパース・バザー誌も展示されています。マーティン・ムンカッチ、ロバート・フランク撮影 のファッション写真が掲載されているハーパース・バザー誌も非常に貴重です。

今回は"クローズアップ・コーナー"として会期中、2人の作家の作品それぞれ約30点を個展形式で 集中展示する試みを行っています。現在から3月5日(日)までゲイリー・ウィノグランドが1960年代 に撮影した有名な"Women are beautiful"を展示しています。作品は1981年にプリント された写真ですが、このシリーズのオリジナル作品を写真集以外で観賞できるのは貴重な 経験です。小さいギャラリーならこれだけで十分企画展として通用する非常に素晴らしい展示です。 3月7日(火)〜4月6日(木)まではダニー・ライアン特集の予定です。

これだけの作品を一同に観賞できる機会はめったにありません。 だいたい”アメリカ写真の写真表現の軌跡”と非常に大きな切り口です、簡単に展示企画できるものでは ありません。このような大きな企画を独自のコレクションで開催できるほど豊富な所蔵作品を都写真美術館は 持っているのです。実は今回の展示は写真美術館のコレクションの1部 だそうです。是非2階と3階の展示室を全部使用した大規模なわかりやすい所蔵展を次回は作家、時代や表現方法にテーマ を絞って大胆に開催して欲しいものです。

素人にも非常にわかりやすく、写真を楽しめる現在開催中のベストの写真展です。


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