Monumental Journey: The Daguerreotypes of Girault de Prangey

Metropolitan Museum of Art , 2019

Joseph-Philibert Girault de Prangey


ジョセフ・フィリベール・ジロ・デ・プランゲイ(Joseph-Philibert Girault de Prangey, 1804-1892) は、フランスのアーティスト、歴史学者、考古学者、カメラマンの先駆者です。1842年から1844年まで、彼は東地中海へ約3年にわたる撮影旅行に出かけます。そして、写真史上で他に類を見ない約1000点のダゲレオタイプによる写真作品を母国に持ち帰ります。それらの中には、歴史上最初期に撮影された、ギリシャ、エジプト、トルコ、レバノン、シリア、エルサレムやイタリアの写真が含まれます。ダゲレオタイプ技法の先駆者だったジロ・デ・プランゲイは、当時としては革新的な大判の原版を駆使して世界最古の写真によるアーカイブスを作り上げたのです。
しかし、彼の写真は個人的な興味で、ダゲレオタイプは展示されることはありませんでした。また彼は未婚で遺産相続人がいませんでした。死後、作品群は長らく忘れ去られた存在となります。1920年代になって、それらの写真作品は別荘の廃墟に残された木製の箱の中から再発見されます。
その後、再評価が行われ、2003520日、クリスティーズ・ロンドンで行われた"Important Daguerreotypes by Joseph-Philibert Girault de Prange"オークションでは、ダゲレオタイプ作品"Athenes,1842"565,250ポンド(1ポンド/190,17百万円)で落札。当時のアート写真のオークション最高落札価格記録を更新しました。

本書は、2019130日~512日まで、ニューヨークのメトロポリタン美術館で行われている、米国初のジロ・デ・プランゲイと地中海旅行に焦点を当てた展覧会に際して刊行。表紙カバー作品は、上記のギリシャの遺跡を撮影した"Athenes,1842"です。同展では、約120点のダゲレオタイプ、グラフィック作品、水彩画、絵画、写真入り出版物などが紹介されています。

ハードカバー: 252ページ、サイズ 27.4 x 2.5 x 24.9 cm
初公開作を含む多数のフルスケールの図版が収録。

メトロポリタン美術館の展覧会のページ

ダゲレオタイプとは
フランスのルイ・マンデ・ダゲールが発明し、1839年に発表した世界初の実用的な写真撮影法です。主に家族の肖像撮影などに19世紀中ごろまで使われていた手法。直接陽画法のためすべてが1点もので、銀板(銀メッキした銅板)などを使用することから銀板写真とも呼ばれていました。