All about Saul Leiter
ソール・ライターのすべて

青幻舎, 2017

Saul Leiter(ソール・ライター)


ソール・ライター(1923-2013)は、米国ピッツバーク出身の写真家、画家です。10代後半に芸術活動に目覚め、23歳のとき絵画の道を追求するためにニューヨークへ移り住みます。1947年にニューヨーク近代美術館で見たアンリ・カルチェ=ブレッソン展から多大な影響を受け、写真表現に興味を持つようになります。友人となったW.ユージン・スミスはブロドヴィッチの写真集"Ballet"や自身の写真作品をライターに贈ったそうです。キャリア初期は、モノクロでポートレートやニューヨークのストリートを撮影。1948年以降は、カラーによる抽象的で革新的な構図のヴィジュアル作品にも取り組みます。その後、シド・グロスマンやロバート・フランクを紹介され、やがてニューヨーク近代美術館のエドワード・スタイケンの目にとまります。1950年代にニューヨーク近代美術館で開催された二つの重要な展覧会に作品が展示されています。しかし、当時のファインアート写真はモノクロが中心で、カラーは広告用と考えられていました。その後、ライターは長きにわたり主にファッション写真家として、ハーパース・バザーやエスクアィアなどの雑誌で活躍します。
1990年代になり、彼の作品は、ジェーン・リビングストン編集の"The New York School"(1992年刊)と、マーティン・ハリスン編集の"Appearances: Fashion Photography Since 1945"(1991年刊)への収録がきっかけで再評価されます。2006年には、ニューヨークのハワード・グリーンバーグ・ギャラリーの写真展開催に際してドイツのシュタイデル社から初の本格的写真集"Saul Leiter:Early Color"が刊行されています。今では、数少ないモノクロとカラーの両分野の発展に大きく貢献した写真家と評価されています。ライターの抑制された色彩と抽象的なフォルムのカラー作品は、同時代の写真家にみられない絵画的な趣があります。ロバート・フランクやウィリアム・クラインのような都市の緊張感の追求ではなく、マンハッタンの人ごみの中で人間が織り成す静寂の瞬間を紡ぎだしています。彼は、"ヴェルメールとピカソが創作アイデアの源泉である"と自作を語っています。

本書は、2017年に東京のBunkamura ザ・ミュージアムで開催された"ニューヨークが生んだ伝説 写真家ソール・ライター展"に際して刊行。ソール・ライター財団全面協力により制作された、完全日本オリジナル作品集です。初期のストリートフォト、広告写真、プライベートヌード、ぺインティングなど約200点とともに、アトリエ写真、愛用品などの資料も収録。彼の、人生観、情緒的表現、浮世絵の影響を感じされる構図、色彩などを探求しています。 単行本(ソフトカバー): 256ページ、サイズ A5、約200点の図版を収録。

(出版社による説明)
ソール・ライター財団全面協力 完全日本オリジナル作品集作品と言葉で紡ぐ、ソール・ライターの人生哲学と美意識  映画「急がない人生で見つけた13のこと」で話題を呼んだソール・ライター。我々日本人を引きつけてやまない、その深遠なる魅力の謎に迫る。初期のストリートフォトから広告写真、プライベートヌード、ペインティングなど約200点とともに、アトリエ写真、愛用品などの資料も収録。