エリオット・ポーター

PORTER, Eliot (1901-1991)

エリオット・ポーターはアンセル・アダムスとともに アメリカ風景写真の巨匠と評価されています。 2人のモチーフはともに自然ですが作風は全く異なっています。 遠方の雄大な風景を濃厚なモノクロ写真で撮影するアダムスに対して ポーターは自然を中間距離で抑制をきかせてカラー撮影しています。ニューカラーのウイリアム・エグルストンよりはるか前の1940年代にすでにポーターはカラー作品に取り組んでいたのです。発色が鮮やかで耐久性があり色彩のコントロールが可能な ダイトランスファーという手法でカラー作品を制作していたことでも知られています。

ポーターは非常にユニークなキャリアの持ち主です。1901年イリノイ生まれ。ハーバード大学医学部出身で、母校で生化学を10年以上に渡って教えていました。ナチュラリストの一面を持っており 自然との関わりの中から鳥や自然風景の撮影を当初はモノクロで開始しています。1939年に開催されたアルフレッド・スティーグリッツのギャラリー "An American Place"での写真展が彼の人生を大きく変えます。写真界の重鎮スティーグリッツやアンセル・アダムスに高く評価され、勇気付けられたことをきっかけに 写真家を志します。その後、グッゲンハイム奨学金を2回得て、野鳥の撮影を行なうとともに、自然保護関連の各種プロジェクトに参加しています。

1962年には写真集"In Wildness is the Preservation of the World" を刊行しています。この本には19世紀に生きたナチュラリストの元祖ヘンリー・D・ソローの著作“森の生活”からの引用がアメリカ自然の四季をとらえたカラー写真に添えられています。 彼自身、ソローの考え方や生き方に強く共感して 自然を撮影していたのです。

ポーターは“私の感動、才能、興味もすべて自然とともにある” と語っています。 彼の自然写真はその詩的美しさと 科学的価値から多くの美術館で展示が行われるともに、 ワイルドライフ関連書籍でも幅広く紹介されています。


The Color of Wilderness