マリー・エレン・マーク

MARK, Mary Ellen (1940-2015)

マリー・エレン・マークはペンシルバニア大学で絵画と歴史を、Annenberg School of Communicationsでフォトジャーナリズムを学びます。 1960年代半ばにフルブライト奨学金を得てトルコで撮影した写真をきっかけに、フリーカメラマンとして雑誌ルックやライフで活躍するようになります。
それ以降、世界中を精力的に旅行し続け、特に時事問題や多様な文化の片隅で生きるアウトサイダーに焦点を当てた作品に取り組んでいます。 ひとつのテーマを長年追い続け、最終的に展覧会、雑誌のフォトエッセー、写真集にまとめることで知られています。 被写体との互いの信頼と尊敬の上で撮影される人間性が高い写真は世界中で高く評価されています。 彼女のフォトエッセーや有名人のポートレートは、エスクアイヤ、ニューヨークタイムズマガジン、ローリングストーン、ヴォーグ、スターン、パリマッチなどで発表されています。

代表作としては、オレガン州立精神病院の女性病棟を撮影した"Ward 81"(Simon & Schuster, 1979)や、インドで長期間取り組んだドキュメントのプロジェクトである、マザー・テレサと慈善事業"Mother Teresa's Mission of Charity in Calcutta"(Friends of Photography, 1985)、サーカス団"Indian Circus"(Chronicle, 1993)、ボンベイの娼婦"Falkland Road"(Knopf, 1981)が知られています。

1986から1991年にかけてはアメリカ南西部の中流階級の多様さを表現した"In America"
(Double Elephant Editions、1992)を発表しています。シアトルで撮影された家出少年少女のドキュメントの、"Streetwise"(Aperture, 1988)は彼女の夫マーティン・ベル監督のアカデミー賞候補映画「子供たちをよろしく」(1983)の元になっています。2002年には双子をテーマにポラロイド20X24カメラで撮影した"Twins"(Apeture)を発表しています。
今までに数々の賞、助成を受けており、1997年には国際写真センターのインフィニティー・アワードを受賞しています。

彼女は特異な被写体を撮影していることからダイアン・アーバスとよく比較されます。しかし、アーバスは特異な人物をクールに描き出していますが、マリー・エレン・マークは被写体の中により深く入り込み社会の中での彼らの意味づけを試みています。
また、活躍の場を写真以外にも広げ、講師、ワークショップのインストラクターの仕事も積極的に行っています。1992年にはマーティン・ベル監督の映画「アメリカン・ハート」にアソシエート・プロデューサーとして参加しています。

彼女は“良い写真を撮るのは非常に難しい、だから写真は自分の好奇心をそそる。そしてストリートの現場はいまでも自分を奮い立たせてくれる”と語っていましたが、残念ながら2015年に亡くなりました。


Mary Ellen Mark: Tiny, Streetwise Revisited


Mary Ellen Mark: Exposure