2023-1-21

  

Robert Mapplethorpe

Phaidon Press; Update版, 2020

Robert Mapplethorpe(ロバート・メイプルソープ)

ロバート・メイプルソープ(1946-1989)は、20世紀で最も重要で影響力を持つ米国人アーティスト。マイナー分野だった写真をファイン・アートに高めたことでも知られるとともに、エイズでわずか42歳で亡くなった伝説の人物です。
1960年代にブルックリンで絵画、ドローイング、彫刻を学び 1970年にポラロイドカメラを友人から手に入れてからは写真で表現を続けました。彼はミケランジェロなどのルネッサンス彫刻、16世紀のマニエリズムの木版画、銅版画彫刻などに触発され創作を行いました。写真を“完璧な彫刻を作る方法”ととらえ、人間の肉体フォルム探求をライフワークとして取り組みました。また猥褻などへの検閲に対しては、技術力と熟練を駆使して挑発的な内容の作品を発表することで挑戦してきました。 彼は数多くのミュージシャンのジャケット・カバーーを手掛けたことでも知られています。特に、歌手で詩人パティ・スミスとは学生時代の1967年~1972年に同居しており、その後長きにわたりポートレートの被写体になっています。パティ・スミス・グループの「Horses」 (1975)、「Waves」 (1979)、「Dream of Life」 (1988)、トム・ヴァ―レインが率いたテレビジョン(Television)の「Marquee Moon」(1977年)のアルバム・カバーを撮影しています。

本書は、メイプルソープ写真に関する最も包括的な探求を行っている著作の拡大・改訂版です。彼が残した遺産は、豊かで複雑なものであり、論争を引き起こし、批評家の意見を二極化させるとともに、多くに多大なインスピレーションを与えています。いまでは、「美」の境界線や概念に挑戦し続ける新進気鋭の写真家たちの手本となっています。
本書では彼の主要作品を本格的に網羅。「花の静物」、「ヌード」、「自画像」、「ポートレート」などのモノクロ写真のほか、カラー作品のセレクションも掲載されています。
編集はマーク・ホルボーンとディミトリ・リーヴァスが担当。パティ・スミスによる新しい詩、アンドリュー・サリバンによる新しい紹介文が含まれます。

ハードカバー: 384ページ、サイズ 32.4 x 5.7 x 35.6 cm、約250点の図版を収録。