2023-1-20
Fraenkel Gallery, 2022
Robert Adams(ロバート・アダムス)
ロバート・アダムス(1937-)は、現在の写真界で高く称賛されているアメリカ人写真家です。1974年に発表した"The New West"で、かつてフロンティアだった西部が大きく変貌したことに注目。画一化した郊外のストリート、住宅地の広がり、ショッピングモール、駐車場、フリーウェーなどをミニマムなスタイルで撮影しています。1975年には、ジョージイーストマンハウスで開催された「ニュー・トポグラフィックス - 人が変えた風景の写真」展に選出。彼の作品は、従来のアメリカの雄大な自然を美化する古典的な風景写真に革命をもたらします。
本書でアダムスはオレゴン州の海岸にある自宅近くの風景に戻り、主にネハレム・スピット(Nehalem Spit)で瞑想的に撮影された陸と海の写真を紹介しています。この地は、太平洋とネハレム湾を隔てる、砂、海草、松が織りなす4マイルに及ぶ砂州です。2005年から2019年にかけて撮影されたモノクロ写真は、陸と海の光の変化を記録しています。大判サイズの写真集で美しく再現されたモノクロ写真は、アダムスがしばしば立ち戻ってきた自らへの問いかけを示唆しています。それは、私たちと自然との関係の意味、そして自然の中での私たちの居場所の不安定さと時間の短さについてです。2022年3月から5月にかけて米国サンフランシスコのフレンケル・ギャラリー(Frenkel)で開催された写真展「Sea Stone & Other Pictures」に際して刊行されました。
ハードカバー : 56ページ、サイズ 31.12 x 1.27 x 33.02 cm、26点のモノクロ画像を収録。