2023-7-1

  

The Artist's Books

MACK, 2023

Francesca Woodman(フランチェスカ・ウッドマン)

フランチェスカ・ウッドマン(1958-1981)は、モノクロのセルフポートレートなどの作品で知られるアメリカ人写真家です。 彼女の多くの写真は、女性が被写体で、時にヌードで撮影されています。 モデルの動きや長時間の露光のためにイメージはぼかされ、周囲に溶け込み、あるいは顔が見えないのが特徴。 シュルレアリスムやコンセプチュアル・アートの影響を受け、鳥や鏡、頭蓋骨といった象徴的なモチーフが繰り返し登場します。
1981年、22歳の時にニューヨークで早すぎる死を遂げており、生前には作品発表の機会はほとんどありませんでした。 死後、1986年以降にウェルズリー美術館(Wellesley Art Museum)などで展覧会が開催。その後は特に1990年以降に彼女の作品の再評価が進んでいます。

いまやウッドマンの写真作品は世界的に広く称賛されています。しかし彼女の驚くべきアーティスト・ブック・シリーズについては、これまでほとんど発表されていませんでした。
本書は、彼女が残した8冊のユニークなアーティスト・ブックの全ページを初めて一冊にまとめたものです。 「Some Disordered Interior Geometries」などのよく知られたタイトルに加え、新たに発見された初公開の2冊も含まれています。 これらの作品のベースとなっているのは、ウッドマンが1970年代後半にローマの書店や蚤の市で収集した、19世紀や20世紀初頭のボロボロの雑誌やノートです。 彼女はそれらに写真プリントやスライド・フィルム、注釈文などを貼り付けてアーティスト・ブックに変身させています。 これらの本は、物語とシークエンスとの洗練された関係を示しており、 ウッドマンの本という表現形式への幅広い理解を垣間見せてくれます。

ハードカバー:416 pages、サイズ 24.5 x 30 cm、多数の図版/テキストを収録