2024-12-1

  

Yasuhiro Ishimoto - Lines and Bodies

Editions Xavier Barral, 2024

石元 泰博

石元泰博(1921-2012)は、米国サンフランシスコに生まれ、高知で育ちました。シカゴのニューバウハウスの形式的アプローチと日本の美意識の真髄を融合させた写真家として知られています。
石元は1948年から1952年までシカゴのインスティテュート・オブ・デザインで学び、ハリー・キャラハンとアーロン・シスキンドの二人の影響を受けたシカゴ派の第一世代の写真家です。
1953年に帰国すると、日本のアートシーンの中心人物となります。京都の桂離宮を大型フォーマットのカメラで集中的に撮影した作品は、建築・デザイン界に衝撃を与えています。アートディレクターの田中一光は、石元は「知的で厳格なモダニズムを初めて紹介し、私たちに大きなインスピレーションを与えた。彼の石の道はブランクーシの彫刻を彷彿とさせた。彼は世界に根本的に新しいまなざしを投げかけた」と記しています。また1958年には、日本の出版史上で重要な作品のひとつである『ある日ある所 (Someday, Somewhere)』(1958年/芸美出版社)を出版し、フォトブックへの新しいアプローチへの道を開いています。

本書は2024年6月19日から12月27日まで、パリのアート・センター「ル・バル(LE BAL)」で開催されている展覧会に際して刊行。同展は高知県立美術館の石元泰博フォトセンターとの緊密な協力のもと実現した、ヨーロッパ初の展示となります。ヴィンテージプリントを中心に、169点を精選し、シカゴ ニュー・バウハウス時代の初期作品をはじめ、〈桂離宮〉、〈東京〉、〈シカゴ、シカゴ〉、〈刻〉シリーズを紹介しています。キュレーションはル・バル 共同ディレクターのディアーヌ・デュフールと高知県立美術館 学芸員の朝倉芽生が担当。本書には、デュフールによる序文と、石元が関わった様々な地域における石元の影響力を検証する3つのテキストからなる批評資料が収められています。

スリップ・ケース入りハードカバー :216ページ、サイズ 22.5 x 2.7 x 29.6 cm、約163点のモノクロ図版を収録しています。



石元泰博