2025-2-15
Taschen; Multilingual版, 2025
Helmut Newton(ヘルムート・ニュートン)
ヘルムート・ニュートン(1920-2004)は、ベルリン出身の戦後の20世紀ファッション写真を代表する写真家です。
ヨーロッパ上流階級の退廃的な雰囲気を持つ、クールでエロティックな作品で知られており、50年以上にわたり"Vogue"や"Elle"などの雑誌ディトリアル・ページで活躍しています。彼の作品はジャンルを超えており、その範囲はファッション、ポートレート、グラマー写真、エレガンス、スタイル、覗き見的写真まで含みます。
その作品群は、他の追随を許さず、唯一無二のオリジナルな存在であり続けています。
ニュートンは、10代の頃、伝説的な写真家イヴァ(Elsie Neuländer Simon) のもとで修業を積み、彼女に導かれるようにファッション、ポートレート、ヌードの魅力的な道を歩みました。しかしユダヤ人家族出身だったことから、彼はわずか18歳でナチスから逃れるためにベルリンを離れることになります。その後、紆余曲折を経て1960年代にパリで写真家のキャリアを確立させた後、
「Constanze」, 「Adam」, 「Vogue」, 「Condé Nast's Traveler」, 「Max」 や、自身の大判雑誌「Helmut Newton's Illustrated」などの雑誌のために定期的に撮影を行っています。
1979年、新たに創刊されたドイツ版「Vogue」誌は、彼の若き日の足跡の瞬間をたどるようなファッション写真の撮影を依頼しています。こうして完成したポートフォリオ「ベルリン、ベルリン!( Berlin, Berlin!)」は、ヘルムート・ニュートン財団の20周年を記念する展覧会のタイトルにもなっています。同コレクションには、ニュートンの最も象徴的なベルリンの写真に加え、1930年代から2000年代までの知られざる写真も多数含まれています。超クールなクラブやレストランでのナイトクローラー、彼が若い頃から知っていた寄宿舎でのヌードポートレート、またベルリン映画シーンを象徴する、ベルリンの壁でのハンナ・シュギュラやヴィム・ヴェンダース、ジョン・マルコヴィッチやデヴィッド・ボウイなどが含まれます。
2003年10月、ニュートンは亡くなるわずか数ヶ月前にアーカイヴの大部分を、1938年冬に彼がベルリンから逃亡した場所であるベルリン動物園駅 (Zoologischer Garten station)そばの写真美術館内の新しい財団に移しました。こうして、ニュートンの類い稀な人生と作品にまつわる全体の物語は本書によって閉じられるのです。
ハードカバー : 244ページ、サイズ 21.41 x 3 x 27.99 cm、多数の図版を収録。