2023-2-18

  

One, Two, Three, More

powerHouse Books, 2017

Helen Levitt(ヘレン・レヴィット)

ヘレン・レヴィット(1918-2009)は、ニューヨークのストリートシーンを約70年に渡り撮影してきた女性写真家です。ウォーカー・エバンスに写真を学び、小型ライカでの写真はアンリ・カルチェ=ブレッソンのスタイルに多大な影響を受けています。彼女は、人種の坩堝である大都市のストリートで繰り広げられる人々の営みを、優しい視点で撮影。特に30~40年代のハーレムでのスナップショット、1959~1960年のカラー作品で高い評価を得ています。代表作に、今や高価なフォトブックとなった"A Way of Seeing"(1965年刊)があります。サンフランシスコ現代美術館(1992年)、ドイツ・ハノーヴァーのシュプレンゲル美術館(2008年)など、世界各地の美術館で回顧展が開催されています。

本書には、30年代中盤から40年代後半までにニューヨーク・ストリートでとらえられた、ユニークで掛けがえのない初期写真が収録されています。撮影場所は、ハーレーム、ロアー・イーストサイド、ガーメント地区など。そこには、遊んでいる子供たち、たわむれている恋人たち、夫と妻、若い母親と一緒の赤ん坊、うわさ話をしている女性、孤独な老人などのシーンが含まれています。大部分は初めて写真集で紹介される作品、その他に写真史上でも高く評価されている代表作品が含まれています。今は見られないニューヨーク・ストリートの生活を記録した、ヴィンテージ・スナップ・ショットの集大成といえるでしょう。

ハードカバー: 204ページ、サイズ 20.6 x 2.5 x 21.1 cm、多数の図版を収録。