ファッション写真とレア・フォトブックが見て、楽しめて、買える!

 

8月27日から、渋谷パルコ地下1階のロゴスギャラリーで「レア・ブックコレクション2010」を開催する。例年はゴールデンウィーク明けに行っていたが、今年はお盆明けの時期となった。
昨年と同じく、壁面にはオリジナル・プリントを展示する「渋谷・アート・フォト・マーケット」を展開する。今年のテーマはストレートに「ファッション」だ。

今回のイベントでは、ロゴス・ギャラリーでオリジナル・プリントからレア・フォトブック、ヴィンテージ・マガジンまでを、見て、楽しめて、買える空間を作り出すことをイメージしている。価格帯も、数千円のフォトブックやヴィンテージ・マガジンから、数百万円のオリジナル・プリントまでの幅広い品揃いがある。
昨今、アート関係のイベントが数多く開催されている。しかし、その実態は参加することが目的になっている。つまり出店者はスタイタスを上げたり、広告宣伝のため。オーディエンスは展覧会のように見ることが目的となっている。主催するのは専門ディーラーではなくイベント屋さんだ。
欧米のアート・フェアーは、もともとは専門業者が販売を目的としてアート作品を持ち寄った蚤の市のようなものだった。それが専門分野ごとに集合し、アート・フェアーに進化していったのだ。誰しもフリーマーケットに行ったときのわくわく感を経験したことがあると思う。「レア・ブックコレクション2010」は、見て、楽しむだけでなく、それぞれの人の予算に合わせて何かが買えるような、アート写真関連のフリーマーケット的イベントを目指しているのだ。

今回はファッションがテーマなので、50年代~60年代のハーパース・バザー、ヴォーグを多数取り揃えた。雑誌は見て捨てるものなので写真集以上に状態の良いものは入手困難。仕入れにはほんとうに長い年月がかかっている。アヴェドン、ペンが表紙を撮影した号、アンディー・ウォーホールのイラスト、伝説のアレクセイ・ブロドビッチやカーメル・スノウが手掛けたものも含まれる。全て1点ものとなる。

写真集はファッション系レア・ブックの定番となる、リチャード・アヴェドンの「Observations(オブザベーションス)」(1959年刊)、アーヴィング・ペンの「Moments Preserved(モメント・プリザーブド)」(1960年刊)。人気写真家テリー・リチャードソンの初写真「Terry Richardson」(1998年刊)、リチャード・アヴェドンの「Made in France」(2001年刊)、デビット・ベイリーがロンドンのシティー・スケープを撮影した珍しい「Bailey NW1」(1982年刊)などを用意した。日本ではまだ知名度が低いJohn Swannell、Art Kane、Terence Donovan、Michael Doster、Paul Himmel など70~80年代のファッション写真家の写真集も数多くセレクション。

また、ファッション写真の歴史を網羅する資料的な写真集も充実させた。「ファッション写真の歴史」(ナンシー・ホール・ダンカン、1979年刊)、「Shots of Style(ショッツ・オブ・スタイル)」(デビット・ベイリー編集、1986年刊)、 「Appearances(アピアレンセス)」(マーティン・ハリソン編集、1991年刊)、「Fashion Photography of the Nineties」(Camilla Nickerson他、1996)など。これらは好きなファッション写真家を探すガイドとして最適だろう。
その他では、常にコレクター人気の高い、アンドレ・ケルテス、ロバート・フランク、ウィリアム・クライン、ウォーカー・エバンス、ヘルムート・ニュートン、ブルース・ウェーバーなどの写真集も多数展示販売される。

オリジナル・プリントもファッション写真家の作品で統一。
ホルスト P ホルスト、ヘルムート・ニュートン、ハーブ・リッツ、ピーター・リンドバーク、カート・マーカス、ブルース・ウェーバー、ウェイン・メイザー、メルヴィン・ソコルスキー、アーヴィング・ペン、フランク・ホーバット、デボラ・ターバヴィル、ジャンルー・シーフ、中村ノブオ、ナオキなどを予定している。
たぶん欧米のアート・フェアーのブースと全く見劣りしない展示だと思う。これらだけでも絶対に見に来る価値があるだろう。