2023-3-4
Fraenkel Galleryでの1994年以来の5回目となるNan Goldinの展覧会です。
本展の目玉の「Memory Lost」は、ゴールディンが自身の膨大なアーカイブから集めたイメージや録音を通して、
薬物中毒の闇を探るスライドショーです。また、本展では、「Memory Lost」の中から夢のような写真と、
パンデミック時に自宅で撮影した親密なポートレートの最新シリーズを展示します。
暗い部屋の中に映し出される「Memory Lost」は、ゴールディンの何千枚ものスライドから抜粋された、
心を揺さぶるエモーショナルな物語を表現しています。彼女の人生や友人の輪を描いた24分の作品には、
依存症というレンズを通して生きる人生の苦しみと、つかの間の美しさが描かれています。
西海岸で初めて公開されるこの作品には、作曲家で音楽家のMica Leviに依頼したスコアと、CJ CalderwoodとSoundwalk Collectiveによる追加音楽が含まれ、Goldin自身の声、1980年代の留守番電話テープ、現代のインタビューが織り込まれています。
「Memory Lost」静止画プリントは、空、ビーチ、動物、群衆を神秘的に描き、ゴールディンの独特の感性を伝えています。
時にぼやけ、露出過多のイメージは、部分的に記憶された過去からの光り輝く断片を示唆しています。本展の最新作は、パンデミックの初期にゴールディンのアパートに引っ越してきた作家のソラ・シームセンを、
2020年から21年にかけての検疫中に自宅で撮影したものです。ゴールディンが珍しくポートレートに戻ったことを示しています。