Hiroshi Sugimoto: Dioramas

Damiani Editore, 2014

Hiroshi Sugimoto(杉本 博司)


杉本博司(1948-)は、現代アート分野で世界的に活躍する日本人美術家。1974年にニューヨークに移り住んで以来、ジオラマ・シリーズにずっと取り組んでいます。

"自然史博物館にたどり着いたとき、私はひとつの奇妙な発見をした。剥製の動物たちが書割の前に置かれていて、いかにも作り物のように見える。しかしそれを片目を閉じてみた瞬間、遠近感が消失して急に本物のように見えたのだ。わたしは、カメラのように世界を眺める方法を発見した。どんな虚像でも、一度写真に撮ってしまえば、実像になるのだ"と杉本は語っています。
このヴィジュアルのトリックから、今でも続いている杉本の写真メディアでのコンセプチュアルな探求が始まっています。

ジオラマ・シリーズは、各々の場面が精巧に巧みに作られたフィクションですが、オーディエンスは撮影者が時間の経過の中で実際の瞬間を捕えたように感じてしまいます。杉本は、写真は時間を化石化する機能を持ち、歴史を創り上げる可能性を持つとも語っています。本シリーズは、有史以前の水生生物から、爬虫類、動物、ホモ・サピエンスによる地球環境の破壊、そして地球再生という、死と再生による生物サイクルのストーリーをテーマにしています。かれは自分独自の世界の歴史、つまり創造神話を提示しているのです。

ハードカバー: 117ページ、サイズ 28.4 x 25.4 x 2.3 cm、
モノクロ約56点の図版を収録。

杉本 博司 プロフィール