Mary Ellen Mark:
Tiny, Streetwise Revisited

Aperture, 2015

Mary Ellen Mark(マリー・エレン・マーク)


マリー・エレン・マーク (1940-2015)は、ドキュメントからセレブリティーのポートレートまで幅広い分野で活躍したアメリカ人女性写真家です。社会の片隅でときに問題を抱えて生活する被写体との、互いの信頼と尊敬の上で撮影する写真スタイルは高く評価されています。代表作には、オレゴン州の精神病患者をテーマにした“Ward 81”(1978年)、同情的だが毅然とした態度で撮影されたムンバイの売春婦のポートレート“Falkland Road: Prostitutes of Bombay” (1981年)、シアトルの10代のホームレスをドキュメントした“Streetwise”(1988年) などがあります。2014年には、ジョージ・イーストマン・ハウスから写真アワードの特別功労賞(Lifetime Achievement in Photography Award)が授与されています。

1988年、マリー・エレン・マークは、シアトルで、売春婦、ぽん引き、乞食、ドラッグ・ディーラーとして暮らしているホームレスの若者グループの心に訴えるドキュメント“Streetwise”を発表し絶賛されます。同作で彼女は、13歳の売春婦のタイニィー(Tiny)などの忘れがたい個人を紹介しています。エレン・マークはタイニィーと出合って以来、2014年まで約30年にもわたって彼女を撮影し続けています。
これは写真家キャリア上で最も長く、かつ重要なプロジェクトでした。43歳になったタイニィーは、いまや10名の子供の母親になっています。その人生は、貧困、人種、階層、中毒の問題ととともに予想外の方向に展開しています。

本書は、いまやフォトブックのクラシックとなった“Streetwise”の拡大版です。オリジナル版に収録されていた代表作とともに、今まで未発表だったタイニィーの感動的で親しみのある写真が収録されています。テキストと作品キャプションは、タイニィーとエレン・マークおよび夫の映像作家マーティン・ベルとの会話の中から取られています。
本書は、米国社会における複雑な一面の力強い探求の成果であるとともに、極めてまれな作家と被写体との30年以上にも及ぶ関係の本質を伝える記録といえるでしょう。本書は2015年5月25日の彼女の死の直前に編集が完了。残念ながら、マリー・エレン・マーク最後のフォトブックとなりました。

ハードカバー: 172ページ、サイズ 31 x 25.9 x 2.3 cm、
モノクロ約160点・カラー約4点を収録。

マリー・エレン・マーク プロフィール