Hiroshi Sugimoto: Theaters

Damiani Editore, 2016

Hiroshi Sugimoto(杉本 博司)


写真を使用した現代アート表現で世界的に高い評価を得ている杉本博司(1948-)。彼は古美術にも造詣が深く、2003年より開催された「歴史の歴史」展では、本人の古美術コレクションと自作とを組み合わせたインスタレーションを行っています。2016年秋には東京都写真美術館の総合開館20周年記念展として「ロスト・ヒューマン」展を開催。人類と文明の終焉という壮大なテーマを、アーティストがアートを通して、近未来の世界を夢想する、形式で提示しています。

"劇場(Theaters)"は、"ジオラマ"、"海景"などと並ぶ杉本の代表シリーズです。彼は約40年間に渡り歴史的な劇場のインテリアを映画上映の光だけを利用して大判カメラで撮影しています。カメラでの撮影は、映画の上映時間に合わせて行われます。結果的にスクリーンは輝く白い部分として残り、周囲の光が劇場内部を細部まで写し出しています。
彼は主に20~30年代に作られたクラシックな映画館を撮影。凝った作りのインテリアは、当時の急成長していた映画産業の文化的な証拠といえるでしょう。その後は、野外のドライブイン・シアターを同様のアプローチで撮影。ここ10年は、欧州の歴史的な劇場や時間により損壊している廃墟となった劇場を撮影しています。

本書はDamianiから刊行される、杉本の代表作を紹介するシリーズ3冊目の写真集です。これらの劇場作品においても、彼が繰り返しテーマとしている時間の経過への思いが展開されています。
ハードカバー: 175ページ、サイズ 25.9 x 2.5 x 28.4 cm、
未発表18点を含む約130点を紹介。

杉本 博司 プロフィール