テリー・オニール追悼
アート系ポートレート写真の元祖

病気療養中だったテリー・オニールが11月16日ロンドンの自宅で亡くなった。81歳だった。

ブリッツでは、過去に何度も写真展(個展)を開催している。ギャラリーが広尾にあった1993年に「TERRY O’NEILL:Superstars of 70s」、目黒に移ってからは 「50 Years in the Frontline of Fame」(2015年)、「All About Bond」(2016年)、「Rare and Unseen」(2019年)を行っている。
2015年には初来日している思い出深い写真家だ。世界的に知名度があり、華麗なキャリアを持つ人なのに、偉ぶることなく誰にでもとても気さくに接してくれていた。かなりの冊数の写真集のサインにも嫌がることなく笑顔で応じてくれたのが印象に残っている。たぶんどんな有名人に対してでも、同じように普通に接することで被写体の自然体の表情を引き出したのだろうと感じた。

Terry O’Neill “Diamond Dogs, London, 1971” (C) Iconic Images

テリー・オニールには、デヴィッド・ボウイの「ダイヤモンドの犬」(1974年)リリースの際に撮影した有名なアートワークがある。同じくボウイの「ヒーロズ」(1977年)のジャケット写真を撮った鋤田正義との写真展会場での出会いは感慨深いものだった。

二人は同い年ということもあり初対面に関わらずすぐに打ち解けた。後日、友情の印として互いにボウイの写真作品の交換まで行っている。その後も二人の交遊は続き、昨年にはロンドンでの再開が実現している。

Terry O’Neill “Brigitte Bardot, Spain 1971” (C) Iconic Images
Terry O’Neill “Faye Dunaway, Beverley Hills Hotel, 1977” (C)Iconic Images

テリー・オニールは、私にとって思い入れがある写真家だ。実は初めて買った写真がテリー・オニールのブリジット・バルドー「Brigitte Bardot, Spain 1971」とフェイ・ダナウエイ「Faye Dunaway, Beverley Hills Hotel, 1977」のアナログ銀塩作品だった。ロンドンのポートベロ・マーケット近くにあったThe Special Photographers Companyという写真専門ギャラリーで1987年に購入している。

30年前、ファッションやポートレート写真のアート性はまだ市場で全く認識されていなかった。販売価格はバルドー作品が185ポンドと驚くほど安かったと記憶している。亡くなる前の彼のギャラリー店頭価格は16 x 20″サイズで最低1750ポンドからだった。約30年間で相場が約9.5倍に上昇したことになる。ただし上記の2点のような代表作は既に完売している。既に生前からオークションで高額で取引されていた。

かつて有名人を撮影したオリジナルプリントは、有名人のブロマイド写真と同じでアート性が低いと考えられていた。しかし世の中の価値観の変化により、いまでは時代性が反映されたファッション・ポートレート写真にはオリジナリティーとアート性があると認識されるようになったのだ。それらは大手のアート写真・オークションでも頻繁に取引されている。テリー・オニールは、その分野における先駆者だったといえるだろう。作品人気の理由やアート性の詳しい分析は次回に行う予定だ。

今後、テリー・オニール作品は、オークションでの取引が中心になると思われる。代表作は完売しているが、それ以外の作品はロンドンのギャラリーに在庫が残っている場合がある。生前の価格で買える可能性もあるかもしれない。興味ある作品がある人はできるだけ早く問い合わせてほしい。アーティスト本人が亡くなってもその作品は永遠に残るのだ。

なおブリッツではテリー・オニールの代表作「Brigitte Bardot, Spain 1971」、「Faye Dunaway, Beverley Hills Hotel, 1977」の特別展示を行っている。どうぞお見逃しなく!

テリー・オニール氏が安らかな眠りにつかれるよう、心よりお祈りしたい。

写真展レビュー
「山沢栄子 / 私の現代」
@東京都写真美術館

山沢栄子(1899-1995)は、日本における女性写真家のパイオニア的な存在として知られている。戦前のアメリカで写真を学び、1930年代からスタジオを開設して主にポートレート写真分野で活躍し、キャリア後半には写真作家に転じている。

本展は彼女の生誕120年を記念して行われる大規模な展覧会で、現存する70~80年代の代表作を中心に、約140点を全4章で紹介。
第1章「私の現代」では、1986年の個展に展示された、彼女が「抽象写真」と呼んでいたモノクロ・カラーの長辺が最大100cmにもなる大作28点を展示。シルバーのフレームも当時に特注されたものとのこと。
第2章「遠近」では、1962年に刊行された同名写真集に収録された1943年~1962年までに撮影された77点を紹介。モノクロ、カラー、抽象写真が含まれ、ニューヨークでのドキュメントから静物など、山沢の興味の対象の流れがみてとれる。すでにプリントやフィルムが現存していないことから写真集のページを額装して展示している。
第3章「山沢栄子とアメリカ」では、山沢に大きな影響を与えた20世紀前半のアメリカ写真の代表作を、同館のTOPコレクションから紹介している。
第4章「写真家 山沢栄子」では、「私の現代」、「遠近」以前の、仕事を、「ポートレート」、「疎開中の写真」、「商業写真」の3部構成で紹介している。

山沢栄子は、2014年に開催された「フジフィルム・フォトコレクション展 (日本の写真史を飾った写真家の「私の1枚」)」でも「What I Am Doing No.24, 1982」が選出されている。私は抽象的な写真を研究しており、縁があってカタログのテキスト執筆を担当している。

数多くの古本屋を回って、「遠近」を含む4冊の写真集を執筆用資料として収集した。当時は、彼女の存在を知る人は非常に少なく、写真集探しは困難を極めたことを記憶している。作品解説では、写真という狭いカテゴリーの中でのアート性追求にとどまらず、「写真としてのアート」の幅広い可能性にいち早く挑戦している、と書いている。

さて山沢の写真を写真史/アート史のどの流れで評価可能かを考えてみよう。写真集「遠近」の収録作品には、アーロン・シスキン、ラルフ・スタイナー、エルスワーズ・ケリ―のような、自然世界の抽象性に注目した写真作品が散見される。これらは多くの表現者が行ったように、彼女も写真による絵画表現の可能性を考えた痕跡だと考える。しかし、彼女はドキュメント写真の視点で、フォルムを優先させた抽象的作品制作の追求は行わなかった。様々な、フォルムや色彩のオブジェを用いて被写体自体を作り上げて撮影する方向へと進んでいく。
山沢の写真をコンストラクテッド・フォトもしくはステージド・フォトの流れで評価が可能だと思いついた人は多いと思う。コンストラクテッド・フォトは、写真の客観的な記録性への信頼が崩壊していった1980年代にアメリカではじまった撮影に作り込む美術的要素を合体させた新分野の写真表現だ。
ちなみに写真家バーバラ・カステンが1987年に山沢のインタビューを行っている。会場内で映像が紹介されており、生前の彼女の姿を見ることができる。実はカステン自身もこのコンストラクテッド・フォト分野の代表作家だった。ちなみに同展カタログでは、キュレーターの鈴木佳子が同じく同分野の代表者ジャン・グルーヴァ―が山沢と類似する作品を制作していると指摘している。

その後、コンストラクテッド・フォトの多くの表現者たちは制作する行為自体にアート性を見出そうとする。いわゆる方法論が目的化されるようになったのだ。山沢が呼んだ「抽象写真」自体も、抽象的な雰囲気の写真を制作する行為が目的化されていると解釈される可能性はあるだろう。写真集「私の現代3」に掲載されている、京都大学教授 乾 由明のエッセーでも、「フォルムと色彩の抽象的なイメージを追求すれば、写真は余りにも絵画的な表現におちいる危険を孕んでいる。それは写真からそのメディアの固有性を失わせ、安易に現実によりかかかった芸術性に乏しい写真とは逆の意味で、写真を絵画の領域に従属する、堕落した状態に置くことになる」と指摘している。
しかし彼女の作品のアート性をこの方面から論ずるのはあまり意味がないのではないか。私は、彼女がいま再評価されているのはその生き方自体によると考えている。山沢は、明治、大正、昭和という男性優位の考えが残る時代の日本において、商業写真家、作家とし社会で自立した女性のキャリアを追求した。それを実践した彼女の人生/生き方そのものが大きな作品テーマなのだと理解し評価すべきだろう。

同展のもう一つの見どころは第3章「山沢栄子とアメリカ」で紹介されているTOPコレクション。まさに、20世紀前半のアメリカの写真史をコンパクトに紹介する教科書的な展示内容だ。アルフレッド・スティーグリッツ、ポール・ストランドなどの写真雑誌「カメラ・ワーク」に収録されたフォトグラビア作品、イモジェン・カニンガム、エドワード・ウェストン、アンセル・アダムス、ポール・アウターブリッジ・ジュニアなどの珠玉の作品も何気なく展示されている。ポール・アウターブリッジ・ジュニア(プラチナ・プリント)は小さなサイズで見過ごしがちだが、おそらく極めて貴重かつ高価なヴィンテージ・プリントだと思われる。
ファッション写真ファンは、ヴォーグ誌で活躍したジョン・ローリングスやセシル・ビートンの戦前の作品も見逃さないように。なんと山沢はジョン・ローリングスのポートレートも撮影している。

アート写真コレクションに興味ある人は、珠玉の20世紀写真が展示されたこのセクションは時間をかけて鑑賞してほしい。それぞれのプリントの質感を、近くからじっくりと味わいたい。

「山沢栄子 私の現代」
2020年1月26日まで開催
東京都写真美術館 3階展示室

デジタル時代における写真表現の最前線 「snap+share」展覧会カタログ

 アナログからデジタル時代になり、私たち一般人にとっての「写真」の意味合いが大きく変わってきた。それがどのような変化なのか、どこに向かっているかの個人的な感想を述べる人は数多くいる。しかし現状の客観的な分析と考察はあまり見ることがない。
 2019年3月30日~8月4日まで、サンフランシスコ現代美術館でシニア・キュレターのクレマン・シェルー(Clément Chéroux)企画により開催された「snap+share」展では、いまの「写真」の現状分析を「写真をスナップして/送る/シェアする」という視点からかなり突っ込んで行っている。本書は、同名の展覧会のカタログ。サブタイトルは、「transmitting photographs from mail art to social network」。


 同展では、ダゲレオタイプ、スナップ写真、ポストカードなどを郵送する行為を原点として、その延長線上に現在の写真撮影とSNSでの画像シェアーの行動をとらえて分析している。
 本書による「写真」の変化の変遷と分析を見てみよう。
まず写真流通がデジタル時代に革命的に変化したという認識が前提としてある。巻末資料によると、2018年時点で、毎日9500万点以上の写真と動画がインスタグラムでシェアされ、3億点の写真がフェイスブックにアップロードされているという。
 写真の進歩をイメージの即時性の追求という視点からとらえ、歴史的にはコダックにより写真を早く撮れるようなり、ポラロイドによりすぐに見られるようになり、インスタグラムにより他人とシェアするようになったと分析。現在は写真の第3革命期だとしている。そして現代の「写真」は、「snap+share」で象徴されるように、スナップと拡散で特徴づけられると定義。デジタル技術により、写真に物理的な重さがなくなり膨大な数の写真が制作可能となる。そして、個人のアドレス化、スマートフォンやタブレット端末での持ち運び、短期間の流通が可能となったとし、写真は一般的な言語性を獲得したと解釈。つまり写真撮影は、しゃべること、会話/言葉になったという意味だ。そして、イメージは言葉と同じように、人間のエゴを表現し、自撮りなどは、見る人の関心、承認、認識を求めており、写真は社会的な存在として、コミュニティー所属の確認、自分の状況や居場所を主張し自尊心と関係づけて提示されていると分析している。
 以上の状況を俯瞰して、本書では「写真」がもたらす現代社会の問題点として、自己中心的傾向、繋がりたがる願望、繋がりの存在を感じるためにシェアーを求めること、の3点を問題点だと指摘。現代のアーティストによる、それらの問題点をテーマとした作品を紹介している。

 美術館の仕事は、今まで関連性が気づかれなかった歴史上のアート表現を抽出して新たな視点から規定していくことにある。本展でも、各時代における写真を郵送する行為に触発されて行われてきたアーティストの表現を、広義のメール・アートから、現代の「snap+share」時代のものまでを関連付けて紹介している。「写真」のことが語られているのだが、前衛芸術の流れをくむパフォーマンス・アートなどの文脈で語られているのでアート系写真分野の人にはややわかり難いかもしれない。しかし、新たな視点から語られる写真表現の歴史は、無理なこじつけなどを一切感じさせない。とても分かりやすく多くの人が納得できる内容だと言えるだろう。現代社会で「snap+share」で象徴される「写真」をテーマにしたアーティストの表現は、アートの歴史的とのつながりが明確だと見事に定義されているのだ。

 本書では、現代社会に生きる一般人には、もはや「写真」は物理的な存在ではなくなっているという認識が示されてる。それではモノとしての「写真」はどのようになっているのだろうか?もちろん広告宣伝、医療用など用途が明確な写真は物理的に存在する。写真を使用してアーティストが制作したものも、アート作品として存在する。もし写真家が自らの表現について何も語らず、第3者が見立てを行わない場合は、写真作品は伝統工芸の職人技の一つのカテゴリーのものとして存在する。いわゆる、陶芸などの工芸品の一部ということだ。この分野の市場も存在するが、アート作品ではないので値段はリーズナブルとなる。しかし、私が「写真の見立て」でしつこく語っているように、このような作品でも写真家が長年にわたり制作を継続できれば、第3者が見立ててアートとして取り扱われる可能性があるのは言うまでもない。

本書に紹介されている作品を簡単に紹介しておこう。

Unknown Me, Collection of Peter J. Cohen 

Peter J. Cohenは、作者不詳のファウンド・フォトのポートレートのなかに「Me(私)」とペンで書かれたものをコレクションしている。まさに自撮りセルフィーの原点だ。

Stephen Shore, Greeting from Amarillo, “Tall in Texas”, 1971

写真家のスティーブン・ショア―の「Greeting from Amarillo, “Tall in Texas”」では、アメリカの西部と南部の交差点として有名なルート66の主要都市アマリロ・テキサスが舞台。ショア―は、この地の様々な建物を撮影して、大量生産のポストカードを商業的に制作した。彼は、自らの全米のロードトリップの際に各地の店のポストカード・ラックにそれらを入れていった。カードには意図してアマリロを記載しなかったことから、それらは各地におけるアメリカの原風景の写真となったという。どの地でも画一的な建築が多い事実が明らかになる。

On Kawara, 29,771 days I Got Up… 1975

コンセプチュアル・アートの第一人者として知られる河原 温の「29,771 days I Got Up… 1975」も取り上げられている。彼は1968年から1979年にかけて継続的にメールアートに取り組んでいた。毎日、朝起きると、起きた時間を記したツーリスト用カード2枚を友人や同僚に郵送し続けた。このシステマチックな仕事の記録は、時間の経過と人間の存在の証拠を提示しているという。

Thomas Bachler, From Frankfult to Kassel, 1985

ドイツ出身のThomas Bachlerは、カードボード・ボックスでピンホール・カメラを制作して様々な都市から自宅へそれらを送付している。発送時にボックスには穴が開けられ、配送中は露光が行われ続ける。到着しだい、パッケージは閉じられて現像される。そこから生まれた奇妙な画像の写真は都市間の移動の痕跡になっている。

Ken Ohara, Contacts, 1971-76

ニューヨークで撮影されたポートレート写真集「ONE」で知られる小原健も紹介されている。グッゲンハイム奨学金を得て行った「Contacts、1974-76」では、彼はフィルム入りのオリンパスRCカメラを、見ず知らずの無作為の人々に指示書ともに送り付けている。それには、カメラの使用法や、自分の周りの人を撮影して返送してくれと書かれていた。返送されると、小原はコンタクトシートを制作している。アメリカ社会のより正確な現実が提示できると考えたという。

Erik Kessels, 24HRS in Photos, 2011

オランダのアーティストErik Kesselsによる膨大なインスタレーション「24 HRS in Photo, 2011」では、24時間にイメージ・シェアリング・サイトと、ソシアル・ネットワークにアップロードされた画像すべてをプリントアウト。同館の展示ではそれらからの数千枚の写真を展示会場内に山のようにうず高く積み上げている。インターネット時代の画像の洪水を視覚化し物理的作品として提示。物として感じられる写真と、ネット上のはかない存在の写真との緊張感を表現している。

Corinne Vionnet, Agra,Paris, Beijin, and San Francisco,from the series Photo Opportunities, 2006-07

Corinne Vionnetの「Agra,Paris, Beijin, and San Francisco,from the series Photo Opportunities, 2006-07」では、彼女はエッフェル塔、タージマハル、天安門広場、ゴールデンゲイト・ブリッジなどの有名観光地のオンライン・キーワード検索を行い、数千点にも及ぶスナップ・ショットを収集。それらを合体させ重ね合わせて精妙な構造の1枚のヴィジュアルを制作。写真をシェアする文化において、有名な場所では多くの人は執拗に同じような写真を撮影していることを提示している。

Eva and Franco Mattes, Various iteration of the orijinal ceiling cat meme

本書の表紙に掲載されている。天井から頭を出して覗いている子猫の作品は、イタリアのカップルEva and Franco Mattesによる作品「Various iteration of the orijinal ceiling cat meme」。作品には「天井の猫があなたを監視している」というテキストが書かれている。猫はSNSで最も多くシェアーされている画像の一つ。作品の猫はインターネット自体の暗喩の意味を持っており、ウェブの総監視システムを非難している。

その他、19世紀から21世紀までの写真を使用した様々なアート表現41点が収録されている。テキストは英文だが、非常に分かりやすくスラスラ読めてしまう。最先端のアート表現に興味ある人はぜひ手に取ってほしい。間違いなく知的好奇心を刺激してくれるだろう。

「Snap + Share: Transmitting Photographs from Mail Art to Social Networks」
Clément Chéroux (著), Cernunnos 2019年刊, 参考価格 3600円

Art Photo Site 紹介ページ

2019年秋のニューヨーク・アート写真オークション
最新レビュー(2)

今秋のニューヨークで開催された大手のアート写真オークションレビュー。第2回は各社ごとの高額売り上げを見てみよう。

クリスティーズは、10月2日に「Photographs」(296点)を開催。総売り上げは約601.5万ドル(約6.61億円)、落札率は68.5%だった。1年前の2018年秋と比較すると、売り上げは約10.5%減少している。

Helmut Newton「Panoramic Nude, Woman with Gun, Villa d’ Este, Como, 1989」

最高額はヘルムート・ニュートンの「Panoramic Nude, Woman with Gun, Villa d’ Este, Como, 1989」で、落札予想価格30~50万ドルのところ39.9万ドル(約4389万円)で落札。ニュートンの本作が、今シーズン最高額落札となった。2018年5月18日にフィリップス・ロンドンで別カットの1点もの作品が72.9万ポンド(当時の為替レート/約1.09億円)で落札されたのは記憶に新しい。サイズがほぼ同じだがこちらはエディション3となる。ちなみに本作は2006年4月22日のササビーズ・ニューヨークで12万ドルで落札された作品。約13年の所有で約3.3倍、年単利の複利計算で約9.68%で運用できたことになる。
続いたのは、カタログの表紙を飾るラズロ・モホリ=ナギの「From the Radio Tower, Berlin, 1928」。落札予想価格20~30万ドルのところ27.5万ドル(約3025万円)で落札された。(カタログ・イメージは前回紹介)
ピーター・ベアード人気はまだ衰えていないようだ。高額が期待された「Gardeners of Eden, 1984」は不落札だったが、「Orphaned Cheetah Cubs, Mweiga, Kenya, 1968」が、落札予想価格20~30万ドルのところ25万ドル(約2750万円)で落札。「World-Class Black Rhino, Aberdare Forest, 1972」は、落札予想価格4~6万ドルのところ、なんと25万ドル(約2750万円)で落札されている。

ササビーズは、9月27日に「Contemporary Photographs」(91点)、10月2日に「Classic Photographs」(138点)の二つのオークションを開催。

総売り上げは約426.7万ドル(約4.69億円)、落札率は約64%だった。1年前の2018年秋と比較すると売り上げは約6%増加。この二つのカテゴリーはコレクター層が違うことがあるので、今後は同様の分類が多くなると思われる。写真が現代アート表現の一部と考えられるようになったので、オークションハウスは常に試行錯誤を重ねている。ちなみに1点の落札単価は前者が約3.4万ドル、後者が約2.5万ドルだった。
女性アーティストの高額落札が目立ち、シンディー・シャーマンの「Untitled Film Still #10, 1978」が、30万ドル(約3300万円)でプリンストン大学美術館により落札されている。フランチェスカ・ウッドマンが学生時代の1976年に制作した「Polka Dots, 1976」は、落札予想価格5万~7万ドルのところ、なんと20万ドル(約2200万円)で落札。これはウッドマン作品のオークション落札最高額記録となる。

Sotheby’s NY Contemporary Photographs Auction Catalogue

「Contemporary Photographs」のカタログ表紙はオランダの写真家ヘンドリック・ケルステンス (Hendrik Kerstens)の「Bag, 2007」。落札予想価格8千~1.2万ドルのところ3.25万ドル(約357万円)で落札されている。

Phillips NY Photgraphs Auction Catalogue

フィリップスは、10月1日に「Photographs」(247点)を開催。総売り上げは約353.4万ドル(約3.88億円)、落札率は66.4%だった。1年前の2018年秋と比較すると売り上げは約38%減少。
最高額はハンナ・ウィルケ「S.O.S. Starification Object Series (Performalist Self-Portrait with Les Wollam)、1974」。このサイズの作品は極めて貴重であることから、落札予想価格18~28万ドルのところ22.5万ドル(約2,475万円)で落札された。ハンナ・ウィルケは、フェミニズム美術を手がけたパフォーミング・アーティスト、画家、彫刻家、写真家。彼女は女性としてのセクシュアリティやエロティシズムを、生涯を通して一貫して視覚化を試みる表現活動に従事していた。
ウィルケとともに注目されていた、女性パフォーマンス・アーティストとして知られるマリーナ・アブラモビッチの「Cleaning the Floor、2004」は、カタログのカバー作品。こちらは落札予想価格6~8万ドルのところ7.5万ドル(約825万円)で落札されている。
続いたのは、9月に亡くなったロバート・フランク作品。「Parade, Hoboken, New Jersey、1955」が、落札予想価格7~9万ドルのところ16.25万ドル(約1,787万円)で落札。同じくフランクの代表作「Trolley, New Orleans、1955」は、落札予想価格5~7万ドルのところ15万ドル(約1,650万円)で落札された。しかし、フランク作品全部が高額落札されたわけではなかった。9点が出品されて5点の落札にとどまっている。写真集「The Americans」収録の有名な「Chicago-Political Rally,1956」は、落札予想価格3~5万ドルだったが不落札だった。フランクはすでに94歳と高齢だった。本人の死亡が相場に与える影響はあまり大きくないと思われる。

今秋は特に5万ドル以上の高額価格帯カテゴリーでの成績に業者間で大きな差が見られた。クリスティーズは好調で、落札率約69%で、20点の落札で約295万ドル(約3.25億円)を売り上げた。落札予想価格6~9百万ドルのエドワード・カーティスの「The North American Indian (20 portfolios and 20 text volumes), 1907-1930」こそは不落札だったものの、最高額のニュートン作品を含む10万ドル以上の落札点数が13件あった。
ササビーズは、クラシックとコンテンポラリー合計で、落札率約85%、17点の落札で約186.65万ドル(約2.05億円)の売り上げ。10万ドル以上の落札点数は5件だった。
一方でフィリップスは苦戦し、落札率約50%、11点の落札で約111.5万ドル(約1.22億円)の売り上げ。高額の落札予想額が提示されていた、ロバート・メイプルソープ、シンディー・シャーマンが不落札。10万ドル以上の落札点数は4件だった。

高額セクターの成績がそのまま今秋の大手業者の売り上げ順位に反映され、クリスティーズが再びトップとなった。

(為替レート/1ドル/110円で換算)

2019年秋のニューヨーク
アート写真・オークション
最新レビュー(1)

アート業界は、今後に直面するかもしれない、景気の悪化とともに、企業債務や不動産のバブル崩壊に身構えているようだ。少し前になるが、マスコミ報道では長期金利が短期金利を下回る逆イールドカーブ発生が話題になっていた。米国債市場では2000年や07年の景気拡大終盤で逆イールドが発生し、その後に景気後退に直面している。米国の中央銀行に当たるフェデラル・リザーブによる最近の短期金利の引き下げは「景気後退」を意識したうえでの行動だと言われている。
景気後退やバブル崩壊による不況は、コレクター心理に悪影響を与え、アート業界の売り上げは低迷することになる。CNBCの報道によると、実際に2019年前半は金融市場の乱高下や将来不安から、米国の富裕層がお金を使わなくなったという。アメリカの高級老舗百貨店「バーニーズ・ニューヨーク」は、8月に破産申請しているし、オークションハウスの売り上げも、前年同期比でササビーズの売り上げは約10%、クリスティーズは約22%減少している。アート業界は、不要不急の消費者向けの比較的高額な商品を取り扱っている。不況になると市場で資産価値が認められていない作品が全く売れなくなるのだ。資産価値のある作品だけを取り扱う大手オークションハウスは、相場を下げることで状況にあったレベルの売り上げは確保可能だ。しかし、委託者は安く良いコレクションを売りたくないので出品数が減少して、市場規模が縮小することになる。そして資産価値が未確定のアート作品を取り扱う中堅ギャラリーは売り上げが激減する。若手新人のみを取り扱う業者は売り上げがゼロになることも珍しくない。ギャラリーは固定費がかかるのですぐに経営に行き詰ってしまう。最近のアートネット・ニュースでは「アート市場は新たな不況に向かっているのか?専門家によるギャラリーが低迷時に生き残る9つのヒント」などという不気味な記事が掲載されていた。
オークションが開催中の週も、景気懸念と利下げ観測でNYダウは不安定な動きをしていた。このような状況下で秋のニューヨーク定例オークションが9月27日から10月2日にかけて開催された。

Christie’s ”PHOTOGRAPHS” Auction Catalogueカタログ表紙はLASZLO MOHOLY-NAGY「From the Radio Tower, Berlin, 1928」、27.5万ドル(約3025万円)で落札。

秋のニューヨーク・オークション・レビューの第1回は、まず全体像を明らかにしたいと思う。クリスティーズ、ササビーズ、フィリップスの大手3業者の出品数は772点だった。(2019年春はトータル739点、2018年秋は866点) 大手3社による合計5つのオークションの平均落札率は66.58%。今春の75.24%よりは低下、ちなみに2018年秋は62.36%、2018年春は72.50%だった。業界では不落札率が35%を超えると市況はよくないと言われている。現状は出品作品の約1/3は買い手が見つからなかったということだ。総売り上げは約1381.6万ドル(約15.19億円)で、春の約2146.6万ドル(約23.6億円)から約35%減少。2018年秋の約1648.3万ドルよりも約16%減少している。

過去10回の売り上げ平均額と比較すると、リーマンショック後の低迷から2013年春~2014年春にかけて一時回復するものの、再び2016年まで低迷が続いた。2017年春、秋はやっと回復傾向を見せはじめ、2019年春にはフリップスが開催した逸品をそろえた単独オークションの成功により総売り上げは再び2014年レベルに戻っていた。しかし、2019年秋は2016年以来のレベルに戻ってしまった。オークション・レビューを初めて約20年になる。グラフを見返してみると今秋の総売り上げ約1381.6万ドルは、なんと1999年春の約1584.9万ドル以下のレベルに戻ったことになる。売り上げが減少したというよりも、最近は現代写真の多くがコンテンポラリー・アート系のカテゴリーに出品されていることによる影響が大きいと思われる。このあたりの詳しい分析は今後行いたい。

各社ごとに見てみよう。1年前の2018年秋と比較すると、ササビーズ約6%増加、クリスティーズ約10.5%減少、フリップス約38%減少。2019年春と比較すると、ササビーズ約5.7%増加、クリスティーズ約13.3%減少、フリップス約66%減少となる。特にフリップスの数字の振れ幅が大きい。結局、今秋の実績は過去10シーズン(過去5年)の売り上げ平均と比べてもマイナス・レベルに落ち込んでしまった。

やはりアート業界を取り巻く厳しい先行き予想が心理的に反映された結果だと解釈すべきなのだろうか。

次回は個別業者の高額落札の内容を見てみる。今シーズンは、シンディー・シャーマン、フランチェスカ・ウッドマン、ハンナ・ウィルケ、マリーナ・アブラモビッチなどの女性アーティストの人気が高かった。

オークション最新レビュー(2)につづく

(為替レート/1ドル/110円で換算)

イメージの洞窟 意識の源を探る
@東京都写真美術館

「イメージの洞窟 意識の源を探る」という、興味がそそられるタイトルがつけられたグループ展が東京都写真美術館で開催中だ。本展のキュレーションは、人間の意識の形成を視覚と関連付けて、テーマとして取り扱おうとする試みだと思われる。しかし、このイメージや意識の形成は、極めて学術的に専門的な大きなテーマである。畑が違うアートの感覚的な視点からの掘り下げは簡単ではないと思われる。実際のところ、来場者が持つこの分野の情報や知識量にはかなりばらつきがある。多くの人がリアリティーを感じるテーマの提示は実際的ではないだろう。しかし、大きなテーマに対しては誰もが納得するしかない。美術館は何らかの切口での作品展示を実施する必要がある、たぶん今回のテーマ提示も確信犯でのことだろう。理想的には、複数のアーティストによる踏み込んだ関連テーマの掘り下げが同時に必要だ。しかし日本では写真でのアート表現が表層的になりがちなので、候補アーティスト探しは難航すると思われる。

たぶん本展の中心コンセプトは写真表現最先端での制作アプローチの独創性と多様性の提示だと思われる。東京都写真美術館は、「写真」表現を見せる美術館であることから当然の流れといえるだろう。
展示作品は、オサム・ジェームス・中川の分割して撮影したファイルを継ぎ合わせて制作された高精細インクジェット・プリント。和紙に出力され、墨、酸化鉄がくわえられた巨大オブジェ作品。これなどは、表面の釉薬の焼き上がりの偶然性を愛でる陶芸に近い感覚だと感じた。
北野謙の新生児をモデルにした巨大なカラーのフォトグラム作品。
ゲルハルト・リヒターの写真に油彩やエナメル塗料が塗られた作品。
この3人のほかには、会場入り口に志賀理江子が1点、
フィオナ・タンが約9分30秒のビデオ作品で参加している。
特別展示としてジャン・ハ―シェルによるカメラ・ルシーダを用いて描かれたドローイング作品も鑑賞できる。これは、1839年に写真技術が発表される約20年前に制作された貴重作品となる。カメラ・ルシーダとは、プリズムを通して画用紙に目の前の風景を映す光学機器のこと。写真表現の原点を提示することで、その後の多様化していった表現方法を際立たせる意図があるのだろう。見事なセレクションだと思う。

本展の見どころは、ドイツを代表する現代アート・アーティストのゲルハルト・リヒター作品にあるだろう。世界のアート市場で高い価値が認められている別格のアーティストだ。彼は抽象絵画が有名だが、キャリア初期からフォト・ペインティングという写真をキャンパスに描き出す手法により、写真を絵画作品に取り込んでいる。リヒターの作品表現は幅広く、フォト・ペインティング、抽象絵画以外にも、風景画、海景、ポートレート、カラーチャート、グレイ・ペインティング、ミラー・ペインティング、彫刻、ドローイング、写真などがある。2002年にはニューヨーク近代美術館で、2011年にはロンドンのテート・モダンで回顧展が、2005年には日本初の回顧展が金沢21世紀美術館、川村記念美術館で開催されている。
作品はアート・オークションで高額で取引されている。ちなみに巨大な抽象絵画作品「Abstraktes Bild (1986年)」は、2015年2月10日のササビーズ・ロンドンで、約30.4百万ポンド(当時の為替レート/1ポンド@180円/約54億円)という、当時の現存作家のオークション最高額で落札されている。
またロック・ファンの人なら、米国のバンド・ソニック・ユースが、リヒターのフォト・ペインティング作品「Candle(1983年)」をアルバム「Daydream Nation(1988年)」に採用したことは知っているだろう。
フォト・ブックの分野では、「Gerhard Richter: Atlas(1997年刊)」はコレクターズ・アイテムとして知られている。同書は、彼が作品を描くために集めた膨大な、スナップ写真、スケッチ、コラージュ、カラーチャートなどを収録。それらを整理、グループ化し、格子状などに並べられたものは「ATLAS(アトラス)」と呼ばれ、リヒター自身の人生、創作アイデア、思考過程などを現している世界地図だと評価されている。

「イメージの洞窟 意識の源を探る」展覧会カタログ

本展では写真に油彩やエナメル塗料が塗られた小ぶりの作品13点が展示されている。同展カタログによると、今回展示している「Museum Visit(2011年)」シリーズは、ロンドンのテート・モダンの来場者を撮影した写真の上にエナメルで着色された作品。オーバーペインテッド・フォトグラフと呼ばれるこの手法において、エナメルが「境界」として写真のイメージと鑑賞者を隔て、鑑賞者へ「絵画と写真」「具象と抽象」「現実と仮称」の再考を促しているとのことだ。ちなみに本展カタログのカヴァーに採用されている「MV.6<Museum Visit>2011」は、日本初公開作品とのこと。
大きなサイズで知られるリヒター作品。小作品を近くによってじっくりと鑑賞するのは新鮮な体験になるだろう。

イメージの洞窟 意識の源を探る
東京都写真美術館(恵比寿)

ノーマン・パーキンソン 写真展 “Norman Parkinson: Always in Fashion” ブリッツ次回展は10月11日スタート!

ブリッツ・ギャラリーの次回展は、20世紀英国を代表する写真家ノーマン・パーキンソン(1913 – 1990)の日本初個展 「 Always in Fashion 」となる。

ノーマン・パーキンソンは、ファッション/ポートレート分野において、20世紀でもっとも偉大で、影響力を持つ写真家の一人だと言われている。ファッション写真好きの人なら必ず彼の代表作品を見たことがあるはずだと思う。
ファッション写真の歴史を紹介する写真集には、間違いなくパーキンソン作品は収録されている。今回の展示作品に触れて、はじめて見慣れた写真がパーキンソン撮影だったと気付く人も多いだろう。

彼のキャリアを簡単に紹介しよう。1931年、ウェストミンスター・スクールを18歳で卒業。法廷カメラマンの見習いで写真の基礎を学んだのち、1934年にスタジオを開設。1935年に「ハ―パース・バザー」誌に雇われ、1940年まで同誌英国版の仕事を行っている。
彼の写真はキャリア初期から革新的といわれていた。パーキンソンは、スタジオから外に出て、ストリートや、遠隔地のエキゾチックな場所での撮影を最初に行った写真家の一人なのだ。モデルの存在にリアリティーを感じさせる彼の撮影方法は「ドキュメンタリー・ファッション」と呼ばれ注目される。
戦後は、「ヴォーグ」(1945-1960)、「クィーン」(1960-1964)などの世界的なファッション誌で仕事を手掛け、その後は「タウン&カウントリー」などの仕事を行っている。
彼の写真は、ヴィジュアル面から50年代パリのニュー・ルックや60年代のスウィンギング・ロンドン時代の雰囲気作りに関わる。「ファッション写真の父 」とも呼ばれ、その後に登場する若手写真家の撮影スタイルに多大な影響を与えている。英国人写真家では、60年代に登場した、デヴィッド・ベイリー、テレンス・ドノヴァン、ブライアン・ダフィーが有名。パーキンソンの写真には、彼ら3人の特徴だった、勢い、即興性、動きと変化がすでに取り込まれていたのだ。

今回の日本初個展では、1938年から1982年までに撮影されたモノクロ/カラーの代表作約25点を紹介する。
リサ・フォンサグリーヴスやマリー=エレーヌ・アルノーなどがモデルを務める有名ファッション写真から、オードリー・ヘップバーン、ジェリー・ホール、ザ・ビートルズ、デヴィッド・ボウイなどの珠玉のポートレートも含まれる。
すべてが作家の意思を受け継いで運営されているノーマン・パーキンンソン・アーカイブスから提供されるエディション付きエステート・プリント作品。
また2019年夏に刊行された「Norman Parkinson: Always in Fashion」(ACC刊)や、英国から輸入したポストカード類も販売される。

実は本展にはもう一つの見どころがある。ノーマン・パーキンソンのファッション・ポートレート写真と共に活躍した写真家の作品を展示する「華麗なるファッション写真の世界」も同時開催する。リチャード・アヴェドン、ジャンル―・シーフ、メルヴィン・ソコルスキー、ホルスト、ブライアン・ダフィーなどの作品展示を予定している。展示作品数はもう少し増えるかもしれない。
どうか楽しみにしていてほしい。

(開催情報)
「ノーマン・パーキンソン 写真展 」
(オールウェイズ・イン・ファッション)
2019年 10月11日(金)~12月22日(日)
1:00PM~6:00PM/ 休廊 月・火曜日 / 入場無料

Blitz Gallery

「Blitz Collection: Landscapes」
(ブリッツ・コレクション展:風景写真)
見どころの解説

本展では、アンセル・アダムス、マイケル・デウィック、テリ・ワイフェンバック、ウィリアム・ワイリー、岡田紅陽、伊藤雅浩、ファウンド・フォトなどを多数展示している。点数が多いメイン展示は、アンセル・アダムスと岡田紅陽になる。

アンセル・アダムス作品の展示風景

アンセル・アダムスは写真独自のアート表現を追求。光の状態をフィルムと印画紙に可能な限り精緻に再現するゾーン・システムという独自技法を開発し、自分のヴィジョンをモノクロ写真で再現した。プリントサイズ、感度など、色々な制約があったアナログ銀塩写真時代に、写真表現の可能性拡大に挑戦しているのだ。彼の技法は、アナログによるフォトショップのようだ、などともいわれている。来場者の中からは、彼の写真を見るとまるで視力が良くなったかのように感じる、という意見も聞かれた。
作家性が再評価されたことで、20世紀写真の中でも彼の作品価値は極めて安定している。

“ブリッツ・コレクション展:風景写真”の展示風景

岡田紅陽は、富士山をライフワークのテーマとして約60年以上に渡り撮影してきた。最初は富士の秀麗な姿やフォルムを追求。しかし後期になると次第に自分の精神状態や心情を反映させた富士を撮影するようになる。
今回は、当時のヴィンテージ・フレームで全作品を展示してみた。すべてが絵画用と思われる装飾的な額。写真がアートと考えられていなかった戦後昭和時代の展示方法を提示するという意図もある。金色の飾りやマット表面に布が貼られていたりする。まさに白いブックマットとシンプルなフレームを利用するのと対極の展示方。シンプルな展示の方がモノクロの富士の写真を引き立てるという感想もあるだろう。日本では写真はアート作品だとはあまり考えられていない。したがって岡田紅陽作品も作家性の見立てがあまり行われていない。個人的には過小評価だと考えている。

ウィリアム・ワイリー「The Anatomy of Trees」の展示風景

ウィリアム・ワイリーの「The Anatomy of Trees」では、コロラドの高地平原地帯の魅力的な光で、単独で生育している大木をモノクロで撮影。それぞれの木々の枝ぶりなどの表情を人間の人生に重ね合わせて表現している。8X10″の大判カメラで撮影し、インクジェットで制作。タイトルの和訳は「木々の解剖学」となる。

伊藤雅浩「陽はまた昇る / The Sun Also Rises」東日本大震災(2011/3/11)

伊藤雅浩「陽はまた昇る / The Sun Also Rises」は、21世紀の現代アート的視点で制作された風景作品としてセレクションした。本シリーズの特徴はカメラを使用しないで作品が制作されている点だろう。黒色の背景に分布している様々な大きさのカラフルなサークルは実は日本地図と重なる。伊藤は視覚で把握できない地震の作品化に挑戦。巨大地震の発生日を中心とし、前後6か月間に発生した震度1以上の地震を深度ごとに分類し、さらに各記号の直径を震度で表現し,地震規模と地震分布を可視化している。震源データは気象庁ウェブページ・震度データベースより引用。東日本大震災(2011/3/11)、阪神淡路大震災(1995/01/17)、熊本地震(2016/04/14)など、全9作品を展示。
彼の新作は、地球規模の環境を意識して制作された「植生図シリーズ」。これも21世紀の風景写真として秀逸だ。今回は展示できなかったが、シートで見せることは可能。興味ある人は声をかけてほしい。

今回のコレクション展の見どころは、様々な種類の写真制作方法が一堂に比較して見られることだ。モノクロ写真では、20世紀初頭フランスのファウンドフォト、ゾーンシステムのアンセル・アダムス、岡田紅陽の銀が浮き上がったヴィンテージ写真、正統派のマイケル・デゥイックによる21世紀の銀塩写真、フィルムで撮影してインクジェットで制作されたウィリアム・ワイリーのデジタル・アーカイヴァル・プリントまでが見比べられる。
カラーでは、テリ・ワイフェンバックの、アナログ時代のタイプCプリントから、デジタルカメラによるデジタルCプリントまでを展示。伊藤雅浩は、カメラを使用しないでデータを操作して重いテーマだが美しい抽象作品を作り上げている。

本展からは、プリント制作手法自体に優劣があるのではなく、それぞれの表現が独自の特徴を持っている事実が明確にわかってくる。またデジタル時代が到来してクオリティー自体の追求が困難で、あまり意味を持たない点も浮かび上がってくる。結局、そのうえでアーティスト/写真家が何を写真で表現して伝えたいかが問われるということなのだ。

本コレクション展は、9月29日まで開催。ギャラリーは、今週末の3連休中も23日(秋分の日)を含みオープン。火、水曜が休廊となる。写真での自己表現を考えている人や、アート写真のコレクションを考えている人はぜひ見に来てほしい。

「Blitz Collection : Landscapes」
ブリッツ・ギャラリー

写真展レビュー
“写真の時間(The Time of Photography)”
@東京都写真美術館

東京都写真美術館は、約35000点にもおぶ膨大な数の写真コレクションを誇っており、どのような切口でそれらを的確に展示するかの試行錯誤を常に行っている。
最近では、2018年5月に、写真を「たのしむ、学ぶ」をキーワードに展覧会を企画。同年11月には「建築写真」によるキュレーションに果敢に挑戦。2019年には「イメージを読む」という切口で、5月に第1期として「場所をめぐる4つの物語」を開催、今回の「写真の時間」はその第2期の企画となる。

本展では、写真が持つ時間性と、それによって呼び起こされる物語的要素に焦点を当てて紹介しているとのこと。写真と時間、そしてそこに横たわる物語の関係性を、「制作の時間」、「イメージの時間」、「鑑賞の時間」というキーワードでグルーピングしたと解説されている。キュレーションはやや抽象的で、展示の方向性が明確に提示されているわけではない。しかし今回はコレクション展なのでオーディエンスは特に展示の意図を意識する必要はないだろう。

展示されている20世紀写真の多くはアート写真市場で高額で取引されている希少な作品。美術館はヴィンテージ・プリントや初期プリントにこだわって作品収集する。もし、アート写真コレクションに興味を持つ人なら、それらの現物が見られるのは本当に貴重な体験である。特にインクジェットのプリントに見慣れた若い世代の人は、それらとの違いを意識して鑑賞してほしい。
現代作家の表現の場合、テーマ性やコンセプトが重要なのはいうまでもない。しかし、この価値観が多様化した21世紀では、表現の幅は本当に幅広いといえるだろう。そうなると一人の写真家の展示点数が限定されるコレクション展では、なかなか作家性をキュレーターが的確に提示するのは難しいと思われる。評価が定まっていない写真家の場合は、鑑賞者が持つ事前の情報が少ないのでどうしても中途半端な印象になってしまう。選ぶ側も、作品のテーマ性よりも、方法論が面白いものや展示映えする作品を選びがちになることも想像できる。このあたりが、現代作家のコレクション展での紹介の難しさだと感じる。

さて本展の見どころとなる作品を独断と偏見で紹介してみよう。
「決定的瞬間」で知られる20世紀写真の巨匠アンリ・カルチェ=ブレッソン。彼の代表作の1枚で、キャリア初期に撮影された「サン・ラザール駅裏、パリ,1932」(作品番号012)が展示されている。

Henri Cartier-Bresson,”Behind the Gare, St.Lazare,Paris France, 1932″ /TOP Collection:Reading Images

最近のカルチェ=ブレッソンの相場は、人気のある絵柄とそれ以外でかなり価格の幅が広くなってきている。本作は2017年10月にクリスティーズ・で行われたニューヨーク近代美術館の重複収蔵作品を売却するオンランオークションに出品されている。1964年にプリントされた約50X36cmの今回よりも大きめの作品。1.5~2.5万ドルの落札予想価格のところ8.125万ドル(@113/約918万円)で落札されている。MoMAコレクションのプレミアムが付いたのだろう。2011年11月に、クリスティーズ・パリの「HCB : 100 photographies provenant de la Fondation Henri Cartier-Bresson」には、同作の現存する最古と言われている1946年プリントの、23X35cmサイズ作品が出品されている。こちらは12万から18万ユーロの落札予想価格のところ、43.3万ユーロ(@105円/約4546万円)で落札されている。

第2章の見どころは、アウグスト・ザンダーの「20世紀の肖像」からの11点だろう。1918年にマルクス主義の現代作家たちと知り合い、芸術とは社会の構造を露わにする表現だ、との彼らの考えに影響を受ける。

August Sander, “Bricklayer, 1928” /TOP Collection:Reading Images

あらゆる階層、民族、職業のポートレートを 記録するという膨大なプロジェクトを思いつく。撮影ではモデルの実像をありのままに表現することを心がける。彼は無名な人達をありのまま表現し、職業を特徴付けるようと試みる。そのために撮影は被写体の仕事場などの日常環境で仕事着のままで行われている。平凡なポートレートのカタログに陥りがちなプロジェクトだが、彼のアーティストとしての被写体への繊細な感受性がドキュメントを芸術写真にまで高めたと、教科書では評価されている。ザンダーの写真はベッヒャ-夫妻、クリスチャン・ボルタンスキーをはじめその後の若いドイツ写真家、芸術家 に多大な影響を与えている。「20世紀の肖像」には様々な種類のプリントが存在する。スタジオが1944年に焼けたことから20年から30年代の本人制作のヴィンテージ・プリントは流通量が少なく非常に高額、2014年12月にササビーズで開催されたオークションでは今回展示されている作品リスト027の「レンガ積職人」と同じヴィンテージ作品が74.9万ドル(@119/約8913万円)で落札されている。
サンダー作品は、その他に息子が制作したモダンプリント(1万~数10万ドル)、孫が90年代に制作したエステート・プリント(5000ドル~)、有名作のインクジェット・プリントが存在している。

シンディー・シャーマンの初期代表作「Untitled Film Still」シリーズからも、1978年から1980年の4点が展示されている。

Cindy Sherman, “Untitled still #9, 1978” /TOP Collection:Reading Images

彼女はセルフ・ポートレート写真で知られる有名アーティスト。1977年、大学卒業後の23歳のときに本シリーズに取り組み始める。最初は自らがブロンドの映画女優に扮することから実験的に始め、その後、マリリン・モンローやソフィア・ローレンのなどの映画のワンシーンの架空のスティール写真を自らがヒロインとなるセルフポートレートとして製作していく。彼女はポップアート同様に映画という戦後の大衆文化を作品に取りこもうとしている。そして、ナルシシズムを感じさせる作品は、自作自演に酔うだけではなく、みずからが被写体になることでフィクションの中にリアリティーを見出そうとしている。同シリーズは1995年にニューヨーク近代美術館がAPを一括購入して相場は上昇した。展示されている作品とだいたい同サイズの約20x25cmサイズ、エディション10作品は、絵柄の人気度にもよるがだいたい12万~18万ドル程度からの評価となる。同シリーズの最高額は2015年5月にクリスティーズ・ニューヨークで取引された「Untitled Film Still#48」。エディション3、約76X101cmの巨大作品が、296.5万ドル(@120円/約3.55億円)で落札されている。

写真での現代アート表現で世界的に高い評価を得ている杉本博司(1948-)。2016年秋には東京都写真美術館の総合開館20周年記念展として「ロスト・ヒューマン」展を開催。人類と文明の終焉という壮大なテーマを、アーティストがアートを通して近未来の世界を夢想する、形式で提示している。

Hiroshi Sugimoto, “Regency, San Francisco,1992” /TOP Collection:Reading Images

今回のコレクション展に出品された「劇場(Theaters)」は、「海景(Seascapes)」と並ぶ杉本の代表シリーズ。彼は約40年間に渡り、消えゆく歴史的な劇場のインテリアを映画上映の光だけを利用して大判カメラで撮影している。カメラでの撮影は、映画の上映時間に合わせて行われる。結果的にスクリーンは輝く白い部分として残り、周囲の光が劇場内部を細部の装飾までを精緻に写し出している。彼は主に20~30年代に作られたクラシックな映画館を撮影。凝った作りのインテリアは、当時の急成長していた映画産業の文化的な証拠といえるだろう。
今コレクション展の中で杉本作品は特別扱い。「劇場(Theaters)」9点のための閉じた専用展示スペースが用意されている。423X541mmサイズ、エディション25の作品の相場は絵柄の人気度により1.5万~5万ドル。最近はやや勢いが衰えている印象だ。今回展示されている作品リスト061の“Regency, San Francisco,1992”は、2015年10月にフィリップス・ニューヨークで開催されたオークションで3.75万ドル(@120/約450万円)で落札されている。杉本の8×10″の大判カメラと長時間露光で制作された銀塩プリントは時間を凝縮した静寂の中に豊かな美しさを持っている。ぜひ近くに寄って劇場の細部まで鑑賞したい。

エドワード・ルシェの有名フォトブック「サンセット・ストリップのすべての建物,1966」も注目作品。

Edward Ruscha, “Every Building on the Sunset Strip, 1966” (フォトブックの部分画像) /TOP Collection:Reading Images

これは1963から1978年にかけてルシェにより自費出版された16冊のアーティストブックの第4冊目。ルシェはハリウッドの全長約2.4キロにおよぶサンセット通りの両側のすべての建物を車で走りながら撮影。なんと7メートルを超える長さのパノラマ状のヴィジュアルを折り畳んだ本になる。本展ではそれを横に広げて展示している。ドキュメント写真とコンセプチュアル・アートを融合した作品で、フォトブック制作を念頭に写真撮影が行われるアプローチは多くの写真家に影響を与えた。実は本書刊行の13年前の1954年に「銀座界隈」(木村荘八編、東峰書房、1954年刊)という2分冊の書籍が出版されている。別冊の「アルバム・銀座八丁」には、写真家鈴木芳一が撮影した戦後の銀座中通りの左右の店構えの景観を上下に対比して蛇腹折のページで紹介している。写真の扱いや文字内容の掲載方法は上記のルシェの本にかなり似ている。真偽のほどは定かでないが、ルシェが「アルバム・銀座八丁」に発想を得た可能性があると言われている。「サンセット・ストリップのすべての建物,1966」は、主要なフォトブックガイドには必ず紹介されている人気コレクターズアイテム。本の状態、初版(1966年、1000部)か2刷り(1970年、5000部)か、スリップケース/サインの有無などで、相場は1000ドル台から8000ドル台まで。

会場内には、その他にも国内外の有名写真家による名作が何気なく展示されている。アート写真のコレクションに興味ある人がじっくり鑑賞すると優に半日くらい時間がかかるだろう。コレクション展と聞くと、鑑賞者は地味な展示だという印象を持ちがちだろう。しかしTOPコレクション展は、展示作品のクオリティーが極めて高い東京都写真美術館の目玉企画だといえるだろう。今後どのような作品が紹介されるかとても楽しみだ。

TOPコレクション イメージを読む
写真の時間
http://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3439.html
東京都写真美術館(恵比寿)

ブリッツ2019年秋の予定
風景写真コレクション展/
ノーマン・パーキンソン展

2019年秋のギャラリーの展示スケジュールをお伝えする。

9月は連休中もオープンして珠玉の風景写真を紹介、10月以降はファッション写真の有名作の展示を行う予定。

(1)「Blitz Collection: Landscapes (ブリッツ・コレクション展:風景写真)」

ⓒ Ansel Adams “Northern California Coast Redwoods, ca.1960″ from Blitz gallery collection

ブリッツ・ギャラリーは、9月12日~29日にかけて、自然風景を撮影した写真作品のグループ展を開催する。
なお本展では、ギャラリーは9月16日(敬老の日)、23日(秋分の日)もオープン。火、水曜が休廊となる。

ランドスケープ写真は、写真が誕生した19世紀から現代まで、数多くの写真家が取り組んできたポピュラーなテーマ。初期段階では美しい自然のシーンを記録し多くの人々に伝える作品が中心だった。アンセル・アダムスは写真独自のアート性を追求。光の状態をフィルムと印画紙に可能な限り精緻に再現するゾーン・システムという独自技法を開発し、自分のヴィジョンをモダンなモノクロ写真で表現した。
岡田紅陽は、富士山をライフワークのテーマとして約60年以上に渡り撮影してきた。最初は富士の秀麗な姿やフォルムを追求します。しかし後期になると次第に自分の精神状態や心情を反映させた富士を撮影するようになる。
21世紀は現代アートが市場を席巻している、写真家たちはパーソナルな視点とアート志向を強く意識し、みずからの世界観やアイデアを表現する一環として風景を撮影している。また21世紀には、地球規模の環境破壊や気候変動などに強い問題意識を持ったアーティストによる風景作品が数多く見られる。もはや風景写真はアマチュア写真家が好むものにとどまらず、現代アートの最先端のジャンルとよべる。

今回のコレクション展では、ブリッツの膨大な収蔵写真作品の中から、クラシック作品から21世紀の現代アート系作品まで、約25点をセレクションして展示。本展をきっかけに、風景写真の世界に新たな魅力を発見してもらえば幸いだ。

(展示予定アーティスト)
アンセル・アダムス、マイケル・デゥイック、テリ・ワイフェンバック、ウィリアム・ワイリー、岡田紅陽、伊藤雅浩、ファウンド・フォトなど多数を展示予定。

(2)「Norman Parkinson : Always in Fashion 」
(ノーマン・パーキンソン展)

From the roof of the Condé Nast building on Lexington Avenue. With a view of the Chrysler and Empire State buildings, New York, American Vogue, 15 October 1949. Iconic Images/The Norman Parkinson Archive

10月11日~12月22日にかけては、20世紀英国を代表する写真家ノーマン・パーキンソン(1913 – 1990)の日本初個展を開催する。
こちらは通常通り、水曜~日曜日の営業、月/火曜日が休廊となる。

パーキンソンは、ファッション/ポートレート分野において、20世紀でもっとも偉大で、影響力を持つ写真家の一人だと言われている。彼の写真は、「ハ―パース・バザー」で活躍していた戦前のキャリア初期から革新的だといわれていた。当時のファッション写真は、光やモデルのポーズを完全にコントロール可能な写真スタジオで行われていた。パーキンソンは、モデルの存在にリアリティーを感じるストリートや、遠隔地のエキゾチックな場所での撮影を最初に行った写真家の一人。彼の写真では、モデルたちは自然かつダイナミックな動きがあり、時にユーモアのセンスを持って表現されていた。彼の方法論は「ドキュメンタリー・ファッション」と呼ばれ注目される。戦後は、「ヴォーグ」(1945-1960)、「クィーン」(1960-1964)などのファッション誌で仕事を手掛け、1964年以降はフリーランスで「タウン&カウントリー」などの仕事を行っています。
今回の日本での初個展では、1938年から1982年までに撮影されたモノクロ/カラーの代表作約25点を紹介。リサ・フォンサグリーヴスやマリー=エレーヌ・アルノーなどがモデルを務める有名ファッション写真から、オードリー・ヘップバーン、ジェリー・ホール、ザ・ビートルズ、デヴィッド・ボウイなどの珠玉のポートレートも含まれる。
すべてが作家の意思を受け継いで運営されているノーマン・パーキンンソン・アーカイブスから提供されるエディション付きエステート・プリント作品。
また2019年夏に刊行された“Norman Parkinson: Always in Fashion”(ACC刊)や、ポストカードも販売する。

(同時開催)「華麗なるファッション写真の世界」

ノーマン・パーキンソンのファッション・ポートレート写真と共に、彼と同時期に活躍した写真家、リチャード・アヴェドン、ジャンル―・シーフ、メルヴィン・ソコルスキー、ホルスト、ブライアン・ダフィーなどの作品の展示を予定している。

ご来廊をお待ちしています!