“BOWIE : FACES”展は4月2日(日)まで開催 いよいよ最終週

1月6日から代官山 蔦屋書店、アクシス・ギャラリー・シンポジア、ブリッツの都内3会場を巡回してきた”BOWIE : FACES”展。早いもので、いよいよ最終週に突入した。展示主要作品は同じなのだが、会場ごとにかなり大胆に壁面展示を変えてきた。現在のブリッツでは、1967年~2002年までの47点の作品を、作家、撮影年代、作品サイズなどをあえて混在させて、壁面全体をフルに利用して展示している。

キャリアを通してボウイは各時代の才能ある写真家、デザイナーなどのクリエーターを多数起用し、彼らとコラボレーションして自らのビジュアル・イメージをセルフ・プロデュースしてきた。その多様さは驚くべきもので、ボウイを知らない子供が会場に来ると、全く違う複数の外国の人のポートレートだと信じているくらいだ。言葉で説明すると回りくどいのだが、その歴然たる事実が今回の展示により、来場者は直感的に理解できるのではないだろうか。
たとえば、若手や新人が今回のような展示を行ってもヴァリエーションが少なく単調になる。いくら作品数が多くても見ていて直ぐに飽きるのだ。しかし、ボウイの複数クリエーターとコラボレーションして制作された作品だと展示にリズムが感じられる。これは想像だが、ボウイの一見ばらばらな姿には適度な規則性があり、壁面の空間周波数は1/fゆらぎにちかくなっているのではないか。様々なクリエーターを採用しているものの、彼らが勝手に創作するのではなく、すべてボウイのディレクションの範囲内に収まっているという意味だ。会場内に身を置くとそのような印象が直感的に湧いてくる。それが理由かは不明だが、本展来場者の滞在時間が普段よりかなり長いのだ。私は約3か月に渡り作品とともにいたのだが、まったく飽きることがなかった。
本展では、このようなボウイの各時代の代表的な写真作品がすべて購入可能なのだ。ここからは、少しばかりセールストークを展開してみよう。
ポップ・アルバム・カバーのモナ・リザといわれるダフィーの”アラジン・セイン”。本作のLPサイズ判のマット入り作品などは、オープンエディション、アーカイブのスタンプ付きで約2万円で買える。
また、今年発売40周年を迎える”ヒーローズ”。1977年の同じセッションからセレクションされた鋤田正義の小さめの8×10″(約20X25cm)作品はエディション100、作家サイン入りで額装しても約3万円くらいで入手可能なのだ。こちらの販売開始は”BOWIE : FACES”東京展からなので現時点ではまだ予約可能だ。鋤田はこれから、ベルリン、イタリア、ロンドンでの個展開催が予定されている。写真は外国の方が売れるのでこれから完売する可能性もあるだろう。エディションは多く感じるかもしれないが、世界全体で100枚なのだ。
テリー・オニールの”ダイアモンド・ドッグ”プロモーション用に1974年に撮影された大型犬が吠えているアイコニックな作品もまだ購入可能。大判サイズは完売しているが、12X16″(約30X40cm)サイズなら30万円程度。また私がお買い得だと考えるのが、”ダイアモンド・ドッグ”のコンタクト・シート作品。セッションの9作品がグリッド状に配置されている。こちらは最近に販売開始されたので、16×20″(約40X50cm)作品がまだ22万円程度で入手できる。テリー・オニール作品はすべてエディション50、作家サイン入りだ。
エディション付きの写真作品は1枚ごとの受注生産となる。展覧会開催時は注文がまとまるので写真家も快く制作してくれる。展示作品以外でも入手可能なのだ。

会期はいよいよ4月2日(日)までとなる。アートとしてのポートレート写真コレクションの考え方や購入後の展示方法など、相談があれば遠慮なく問い合わせてほしい。

(*作品サイズは印画紙サイズ、価格はフレームは別)
————————————————-
“BOWIE : FACES”展
4月2日(日)までブリッツで開催
Open: 13:00-18:00

参加写真家
ブライアン・ダフィー(Brian Duffy)、
テリー・オニール(Terry O’Neill)、
鋤田正義(Masayoshi Sukita)、
ジュスタン・デ・ヴィルヌーヴ(Justin de Villeneuve)、
ギスバート・ハイネコート(Gijsbert Hanekroot)、
マーカス・クリンコ (Markus Klinko)、
ジェラルド・ファーンリー (Gerald Fearnley)

・オフィシャルサイト